たしかに農業と出版業はよく似ている

公開日: 更新日:

「里山産業論 『食の戦略』が六次産業を超える」金丸弘美著/角川新書/2015年12月

 例えば、書籍ビジネスについては、神奈川県藤沢市にあるパナソニックの工場跡地を利用した町づくりについて紹介している。

〈これまでの大型書店は、ほとんど駅前ビルに入っていた。デパ地下に料理の本があったり、婦人服コーナーにファッション誌があったり、家具のところにインテリアの本があったりしてもよかったはずだが、現在の出版流通だと、書店以外の店舗が個別に出版社から本を取り寄せることは難しい。返品できないため買い取りとなり、マージンも極めて安い。/ところが、Fujisawa SSTでは蔦屋書店が仲介に入り、書店を各店舗の中心に置くことで連携販売を可能にした。〉

 確かにこのようなちょっとした工夫で、お客さんに本を手にとってもらいやすくなる。金丸氏は、出版業と農業は、構造的に似た点があると考えている。

〈書店も農業に似ている。大量生産をして出荷する、流通に乗せるという時代から、地域と連携をして、見せ方、使い方、文化との融合など、さまざまな組み合わせで、必要な人にほしいものを提供する時代となった。〉

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方