週末に読みたいこの1冊
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「赤と青とエスキース」青山美智子著
メルボルンに交換留学で来た大学生のレイは、ある日、知人に誘われたバーベキューで、ブーの愛称で呼ばれる同い年の日系人男性に出会う。ブーとは不思議と話も弾んだが、誰にでも親切で人気者の彼にレイは警戒。し…
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「ドキュメント がん治療選択」金田信一郎著
居酒屋で突然嘔吐(おうと)したことをきっかけに体の異変に気付いた著者は、近所のクリニックで食道がん疑いの診断を受け、東大病院を紹介された。 主治医となったのは、以前自身の母親が胃がんの手術を…
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「共働き夫婦 最強の教科書」内藤眞弓著
共働き夫婦の人生設計で多いのは「子どもができたら、妻が一時的に仕事を辞め、小学生になったらパートで復職する」というもの。しかし、それがかなったのは一昔前まで。今は親世代と同じような働き方や「男は仕事…
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「みとりねこ」有川ひろ著
桜庭浩太(さくらばこうた)は、桜庭家の三男猫──と言われているが、浩太自身は自分が次男猫で浩美が三男坊だと思っている。 20年も前の梅雨の日、まだ目もろくに開いていなかった浩太は雨に打たれて…
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「カラ売り屋VS仮想通貨」黒木亮著
経営コンサルタントとして働いていた矢作幸作は、ある日渋谷で仮想通貨を扱う小さな両替所を目にした。矢作は、店番の男・水谷透の豊富な専門知識に舌を巻き、一緒に独立しないかと話を持ち掛ける。矢作は、仮想通…
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「仮面」伊岡瞬著
識字障害を持ちながらもアメリカ州知事選のブレーンになった経験を売りにして大ブレークした作家・三条公彦は、今やテレビ出演のオファーが絶えない人気タレント。三条の識字障害を補うための通訳兼秘書として雇わ…
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「会って、話すこと。」田中泰延著
「何をどう話せばいいか?」など、会話について悩んだことのある人はいるだろう。しかし、これまでさまざまな人と対談をしてきた著者はその経験から、多くの場合、「他人はあなたに興味がなく、実はあなたも他人に興…
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「京味物語」野地秩嘉著
東京・新橋の路地にあった京料理店<京味>。 「日本料理の最高峰」と称され、国内外の著名人が多く訪れた。皇族、裏千家家元、俳優や文化人、ジョン・レノン……。しかし、主人・西健一郎の態度は誰が来て…
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「兵諫(へいかん)」浅田次郎著
1936年初秋、ニューヨーク・タイムズ紙で中国語通訳兼翻訳者として働いていたジェームス・リー・ターナーは、中国情勢を取材する任を受けて上海を訪れた。そこで出会ったのは、朝日新聞特派員・北村修治と、表…
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「邪教の子」澤村伊智著
少女・慧斗が住む光明が丘ニュータウンに、車椅子に乗った少女の一家が引っ越してきた。しかし、少女・茜はなかなか学校に来ない。心配した慧斗が家を訪ねると、母親はコスモフィールドという新興宗教にハマってお…
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「うちのネコ、ボクの目玉を食べちゃうの?」ケイトリン・ドーティ著 十倉実佳子訳
「宇宙で宇宙飛行士が死んだらどうなる?」「死体が勝手に立ち上がったりしゃべったりすることはある?」など、子どもたちは死についてさまざまな疑問を持っている。こうした34の疑問に対し、葬儀屋である著者が専…
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「サハマンション」チョ・ナムジュ著 斎藤真理子訳
舞台は、自治体が企業に売り払われた都市国家「タウン」。そこには専門知識と経済力を持つLと呼ばれる住民と、2年ごとの審査を受けて在留が認められるL2と呼ばれる人と、LでもL2でもないサハと呼ばれる人た…
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「幻の弦楽器ヴィオラ・アルタを追い求めて」平野真敏著
弦楽器店に飾られていた、チェロにしては小さすぎ、ヴィオラにしては大きすぎる謎の弦楽器。ヴィオラ演奏家の著者は、その楽器を自身の公演会で使ってみることにした。楽器内部の小さなラベルに記されていたその楽…
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「我が産声を聞きに」白石一文著
新型コロナウイルスが蔓延する2020年9月、名香子は夫・良治から一緒に行ってほしいところがあると言われた。着いたところは都立がんセンター。「肺がん」との診断を受け、帰りに立ち寄ったレストランで、良治…
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「叶うならば殺してほしい」古野まほろ著
2021年春、東京・井の頭公園近くの住宅街で火災が発生した。火元となったのは2階建てのごく普通の一軒家。隣家への延焼は免れたものの、2階も1階もほぼ全焼。その家から飛び出してきた高校生・仁科徹は保護…
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「海外暮らし最強ナビ」久保田由希、山田静編
テレビや映画で海外の景色を見て「ヨーロッパで暮らしてみたい」と一度ならず考えたことがある人はいるだろう。本書はそんなヨーロッパ暮らしを実現するための仕事、食生活、住まい、治安など必須知識を移住者のリ…
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「本物をまなぶ学校自由学園」婦人之友社編集部編
1921年、ジャーナリストであった羽仁もと子、吉一夫妻によって創設された自由学園。わずか26人の女子中学生から始まった学びやはその後、東京・池袋から西郊・ひばりケ丘へと移転し、幼稚園から最高学部(大…
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「他者の靴を履く」ブレイディみかこ著
本書は、ベストセラー「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の中に登場した「エンパシー」という言葉をきっかけに生まれたエンパシーの考察本。著者の息子が、テストで「エンパシーとは他者の靴を履いて…
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「本心」平野啓一郎著
時は2040年。リアルアバターとして働く朔也は29歳のとき、母を事故で失う。母は随分前から「自由死」を望み、認めない朔也と議論をしている最中の死だった。母はなぜ「自由死」を望んだのか。僕にお金を残す…
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「江戸のジャーナリスト 葛飾北斎」千野境子著
人気浮世絵師として世界中で名高く、その作品は今なお注目を集めている葛飾北斎。元新聞記者の著者は、好奇心全開で常に新分野に挑戦し続けた北斎を絵師としてだけでなく、ジャーナリストとしてとらえた。江戸期と…