「戦後の貧民」塩見鮮一郎著

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 有史以来、庶民がもっとも貧困に喘いだ時代を見つめ直す歴史ドキュメント。

 敗戦とともに、国内外の兵隊800万人弱、民間の引き揚げ者300万人による大移動が始まる。着の身着のままで祖国・故郷に戻ってきた彼らは住む場所もなく路上にあふれた。戦後も維持されていた配給制度にはじき出された復員兵や引き揚げ者らによって、自然発生的に生まれた闇市の変遷をたどる。さらに、終戦からわずか12日後に開設された進駐軍のための慰安所RAAで米兵の相手をさせられた女性たちの悲劇や、傷痍軍人、原爆被災者など。7歳で終戦を迎えた著者が自らの体験も交えながら、終戦直後の混乱を生きた人々の姿を活写。

(文藝春秋 800円+税)

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