シネマの本棚
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マニアたちが広大な墓場を再現
グローバル化の時代は「聖地巡礼」も世界現象。むろん、サンティアゴ巡礼やお遍路ではなく、人気映画のロケ地巡りのこと。その好例が現在都内公開中のドキュメンタリー「サッドヒルを掘り返せ」だ。 かつ…
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復興と再建のベイルートで働く難民労働者
「3.11」東日本大震災から丸8年。今もそれを語る人はもはや少ない。 「復興」とは果たして何なのだろう。来週末封切りの「セメントの記憶」は、そんな問いを図らずも連想させるドキュメンタリー映画であ…
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多文化主義政策を敵視する男がキャンプ場を襲撃
昨秋、北欧に滞在して本業の社会学者の仕事をした。欧州の移民排斥運動とその影響の調査である。実態は聞きしに勝るもので、「理想の福祉国家」がいかに同質的な社会だけを暗黙の前提にしてきたか思い知らされたも…
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平穏だが退屈な田舎町で男たちが再会し…
樹木希林と市原悦子があいついで亡くなって、ふたりを称える記事が目立った。しかし彼女らはあくまで対照的な女優。若くして新劇のスターだった市原は堂々たる舞台芝居で、テレビに出ても画面からはみ出そうな迫力…
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救いのない格差社会・香港の現実
香港映画といえばその昔から、荒唐無稽と俗受けが本領。香港ノワールなどを見てスタイリッシュと勘違いする若者もいるかもしれないが、あれは往年の日活映画と同じ通俗きわみのたまものだ。 ところが、そ…
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クルド人「女戦士」の復讐と悲哀
先の米議会中間選挙では女性議員の躍進、特に軍人出身の女性が多数、議員になったことが話題になった。だが、職業として軍人という名の公務員になることと「女戦士」になることは違う――と、そんなことを考えたの…
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「マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」
若者が年寄りに心を開くのは、年寄りが若者だったころの話を聞くときだ。単なる昔話や自慢じゃない。目の前の年寄りが、自分と同じようなそそっかしく向こう見ずな若者だった時代の、心躍る冒険や歓喜をつい昨日の…
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「人種の壁」を越えた夭折の天才黒人画家
音楽やスポーツの世界で成功したアメリカの黒人は多いが、美術となると一気に少なくなる。一般にも名を知られた現役アーティストとなると皆無に近いといっても過言でないだろう。しかしその例外がジャン=ミシェル…
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自慢のスニーカーを奪われた少年が報復に…
「フッドムービー」という映画ジャンルがある。フッドは「ネイバーフッド」、つまりご近所の意味で、ここでは黒人近隣地区を舞台にした映画を指す。昨今、見どころのある黒人映画はこのフッドムービーかコメディーに…
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「アジア系」が主役 迫真の心理サスペンス
この夏、アメリカでは「クレイジー・リッチ・エイジアンズ」という映画が予想外のヒットを記録した。シンガポールの名門一族の孫に求婚された中国系アメリカ人女性が彼の故郷を訪ね、移民で苦労した自分たちとは違…
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“ケンカ殺法”でまたもトランプを敵に回すM・ムーア
2年前の米大統領選の直前、ヒラリー勝利確実の予想の中でひとり「トランプが勝利する5つの理由」を説いた男がいた。マイケル・ムーア。ブッシュ政権を敵に回し、全米ライフル協会から目の敵にされたあのドキュメ…
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「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」
11月に予定される米連邦議会中間選挙は、トランプ政権下で保革逆転をめざす民主党に絶好の機会。わけてもニューヨーク州の下院選挙第14区では議員歴の長いベテランの男性を28歳のヒスパニック系新人女性候補…
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地味なオジサンの正体はCIA
中年以上の読者なら先刻ご承知のように「ミッション:インポッシブル」はもともとテレビの「スパイ大作戦」だった。「スター・トレック」も「宇宙大作戦」である。「バットマン」は「バットマン」……となると笑い…
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「運命は踊る」
あいにく本欄で紹介できなかったが、この夏、「ガザの美容室」というパレスチナの映画が公開された。パレスチナのガザ地区にある小さな美容室にやってきた女たちの、ほとんど会話から成る(しかし監督は双子の男兄…
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ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
初めて握ったラケットは木製だった、というのは70年代の話である。ラケットには「ケン・ローズウォール」のサイン、といっても多くの若者は知らないだろう。当時は自分でガット張りからやらされたし、バックハン…
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テル ミー ライズ
私事で恐縮だが、夜中に家を抜け出してオールナイト映画館に通い始めたのが中学2年のときだった。補導の目をかいくぐる冒険で、そこで出合ったのが「マラー/サド」の通称で有名なピーター・ブルックの前衛演劇の…
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一服の清涼剤のようなハイブリッドアニメ
今年4月に亡くなった高畑勲監督の遺作「かぐや姫の物語」。ジブリアニメでは破格の画風が話題になったが、これをしのぐ異色のアニメが来週末封切りの「大人のためのグリム童話 手をなくした少女」である。 …
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性の革命前のイギリスを舞台にした悲恋
小説の風趣は一にかかって文章にある。同じ筋立てが文章しだいでまったく違うものになるのである。 同じことが原作小説の映画化にもいえるだろう。映画化の失敗という話ではない。むしろ映画と原作の微妙…
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キューバ音楽の伝説的ドキュメンタリーの続編
いまとなってはずいぶん昔に感じる1999年、一本の音楽映画が世界中を魅了した。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」――鮮烈に思い出す人も多いだろう。ギタリストのライ・クーダーが「発見」したキューバの…
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元ベトナム駐留海兵隊員が30年ぶりに再会
アメリカのテレビ用映画が日本では劇場公開される。昔よくあったパターンだが、昨今はこれがネット配信映画に変わりつつある。だが、あなどるなかれ。この手の作品には低予算だからこその秀作が交ざっているもの。…