松尾潔のメロウな木曜日
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「日本の芸能史の素性の後ろめたさを、歴史の中でどう受けついでいくか」という〈予言〉の重み
今回で連載も100回目。ご愛読に感謝しつつ、ぼくがヒーローと仰ぐ方の近刊をご紹介したい。8月最後の土曜(8月31日)、有楽町アイマショウで早見優ライブを楽しんだあと、隣りの席で観ていた音楽評論家のス…
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医者で文筆家の木村知さんと再会…最新刊『大往生の作法』に痺れ「人生の達成」を感じた
8月も終わりである。かつてそれは〈夏の終わり〉とほぼ同義だったが、いま8月が終わったからといって半袖のシャツをしまい込む人は皆無だろう。それでも毎年この時期になると〈区切りのような何か〉を感じてしま…
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夏は“死の匂い”を求めて本を選ぶ…白石一文「Timer 世界の秘密と光の見つけ方」には圧倒された
夏は死の匂いがする。 この国に生まれ育った者にとって、死を最も身近に感じる季節は8月ではないか。お盆。精霊流し。敗戦……根拠ならいくらでも挙げることができる。だが最大の理由は、いつまでも続く…
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クリストファー・ノーランと野田秀樹 ふたりは鳴き声を異にする〈炭鉱のカナリア〉どうしなのかもしれない
先週金曜(8月9日)、長崎市では平和祈念式典が挙行された。1945年のこの日にアメリカ合衆国が長崎に原子爆弾「ファットマン」を投下して、今年で79年が経つ。ファットマンこそは〈最後の核兵器〉だ。当時…
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イスラエルを明確に批判した広島県知事。同国大使の表情を被せて大写しにしたNHKの英断よ!
♪恋人よ、これが私の一週間の仕事です。テュリャテュリャテュリャリャ♪ ◆木曜(8月1日) 「第2回ひろしま国際平和文化祭(ひろフェス)」の開会式出席のため、早朝の品川駅へ。〈ひろフェス〉と…
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R&B愛好者の底力を感じた3日間。「いま本当にパリでは五輪なんてやっているのか?」という疑問が…
R&B/ソウルミュージックの世界で、その名前が絶対的なグッドデザインマークを意味する米プロデューサー・チーム、ジミー・ジャム&テリー・ルイスが、さる7月28日(日)から3日間連続で計6回のライブをビ…
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ナンノが歌う明菜曲に手拍子を打つ2024年になろうとは。
♪恋人よ、これが私の一週間の仕事です。テュリャテュリャテュリャリャ♪ ◆木曜(7月18日) 都内某所で著述家の北原みのりさんと初対面にして初対談。テーマは都知事選にはじまり、代理母出産、フェミニ…
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佐野元春さんに以前から訊きたかったことを問うてみた
♪恋人よ、これが私の一週間の仕事です。テュリャテュリャテュリャリャ♪ ◆木曜(7月11日) パーソナルトレーニングの日。ぼくは食べることが大好き。20代の終わり、人間ドックで「食べる量を減らすか…
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都知事選は現職負けなし13連勝。記録をさらに更新しましたって、本塁打トップのオータニさんかよ。
小池百合子候補の圧勝という大方の予想通りの結果が出た東京都知事選だが、選挙戦ではいくつかの注目すべき動きがあった。紙面の許すかぎり記したい。 まず、告示前からあれほどネットをにぎわせた小池候…
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三島由紀夫賞を受賞した大田ステファニー歓人さんのスピーチが胸を強く揺さぶった。
♪恋人よ、これが私の一週間の仕事です。テュリャテュリャテュリャリャ♪ ◆木曜(6月20日) 都知事選告示日にして本コラム掲載日。テーマは昨日の有力4候補による共同記者会見。トップ交代を本気で望む…
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最後まで冷静と情熱の好ましいバランスを保っていた蓮舫氏。弱者への揺るぎないまなざしが詰まっていた。
七夕に投開票が行われる東京都知事選の告示を10日後に控えた6月10日、ぼくは【長文です】と前置きしたテキストを自分のX(旧ツイッター)にポストした。以下、引用する。 「都知事選への注目が過熱気…
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好きなロックバンドを持たなかった自分の青春は、日暮泰文の死でようやく終わった。そんな気がする。
青春はいつ終わるのか。 それを「好きなバンドが解散すること」と定義したのは、たしか小説家の樋口毅宏さんである。 いつだったか酒場でこの話題になり、居合わせた連中全員がひとりひとり「解…
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「私の心の中にある『故郷』は誰にも譲れない」に心を揺さぶられ、「帰郷」の歌詞を急遽朗読した
先週木曜(5月30日)の朝、東京地裁へ行った。56歳にして初めての裁判所である。若いころに法曹の道に進むのもいいなあと漠然と憧れたこともあるが、気づけば裁判とはまったく無縁の人生を過ごしてきた。文章…
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格闘技界と芸能界を自在に行き来するノンフィクションの賞獲り男として、細田昌志の快進撃は当分続くのではないか。
今年2月に完結した本紙連載「『テレビと格闘技』2003年大晦日の真実」でおなじみ、細田昌志さん。彼の第30回小学館ノンフィクション大賞受賞作『力道山未亡人』がついに出版された。未発表原稿の公募制で知…
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「やっぱり本物のジョイスさんがいいね」に安堵したビルボードライブ東京の夜
前回に続き、六本木・東京ミッドタウンのクラブ&レストラン〈ビルボードライブ東京〉での話。さる5月19日(日)、ジョイス・ライスのライブが行われた。彼女はアフリカンアメリカンの父と日本人の母を持ち、L…
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「五感で愉しむR&B」が一夜限りの復活 6が並ぶメロウな木曜日、ぜひ六本木に足を運ばれたし!
6月6日(木)、六本木・東京ミッドタウンの〈ビルボードライブ東京〉で「松尾潔のメロウな夜間授業~R&Bの愉しみ~」が復活を遂げる! と勢いよく書きだしたところで、情報洪水社会を生きる本紙読者…
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うつと生きるサカナクション山口一郎さん 「復活」初日の言葉で思い出した1冊をお薦めしたい
大型連休終盤の5月5日(日)に放映されたNHKスペシャル『山口一郎“うつ”と生きる~サカナクション 復活への日々~』が大きな反響を呼んでいる(NHKオンデマンドで視聴可)。サカナクションはこの国を代…
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「ゴールデンウィーク」は映画業界の宣伝用語だった 疑わしさで満ちるは政治という現実か、映画という虚構か
春の大型連休も後半戦である。この連休の異名〈ゴールデンウィーク〉がもともと映画業界の宣伝用語だったことは有名だ。1948年の祝日法施行から3年経った51年に、当時大映の社長だった永田雅一が作ったとい…
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映画「パスト ライブス/再会」の“大人のラブストーリーの最高傑作”なる惹句に待った!
同い年の畏友、漫画家・井上三太くんが、YouTubeチャンネル「SANTASTIC!TV」で、今春のアカデミー賞で作品賞と脚本賞にノミネートされた米映画『パスト ライブス/再会』を斬った! これがじ…
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じつにカッコいい。人生の成功者・島田雅彦さんのいるところ、何かが起こる。
本連載の初回は2022年9月。そこに登場したのは、入稿直前の夜にたまたま新宿の酒場で出会った中森明夫さんと島田雅彦さんだった。いま56歳のぼくに大きな影響をあたえた60代男性文筆家は少なくないが、中…