【きょうの朝ドラおむすびにモヤっと】弁当開発に「病院の管理栄養士」の売りはもう不要? “新型コロナ編”にも懸念が…

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コクハク

第23週「離れとってもつながっとうけん」#111

【朝ドラのツボ!】

 新型コロナウイルスの感染が日本で初めて確認されて病院で警戒感が漂う中、コンビニ弁当の開発をしないかという幼なじみの菜摘(田畑志真)からの誘いに、結(橋本環奈)はどう答えようか迷う。

 一方、歩(仲里依紗)は自身のブランドを広めるため、春のファッションイベントへ向けて佑馬(一ノ瀬ワタル)たちとともに準備を進めていく。

【こちらもどうぞ】商品開発7年目なのに、なっちゃんの知識不足設定と結への謝罪が不憫すぎる

【本日のモヤっと】

翔也の“しょっぴー”呼び
 ※※以下、ネタバレあります※※

 先週金曜日(7日)、結が菜摘の働く大手コンビニからヘッドハンティングされてからモヤモヤがとまりません。あの弁当ひとつでヘッドハンティング? ケッ、です。

 そもそも、病院の管理栄養士と開発、というのがあの弁当のウリだったわけで、自社に取り込んだら“病院の管理栄養士”ではなくなってしまうわけで…。何がなんでも結に手柄を上げさせたい一心でおかしなことになっていること、視聴者はとっくに気付いているのに、制作者だけが気づいていないとか…。ほんとうに不思議なドラマです。

 そして、今週からはいよいよ新型コロナウイルスです。医療従事者にとって“最大の事件”を「おむすび」が扱うことに一抹の不安が…。震災があれだったので、コロナも似たようなものではないか、と。結局、このドラマにとって、震災もコロナも、ただのおむすびの“具”でしかなく、梅干しが昆布に変わっただけ…。しかも、土台になってる肝心のおむすびの米が、激マズという致命傷です。

 本日(10日)は、病院でもコロナ患者の受け入れを決め、その対策で、レッドゾーン、イエローゾーン、グリーンゾーンとゾーニングする様子が描かれていましたが、ニュースやドキュメンタリーで散々見せられた映像を簡素にしたものでしかなく、リリー・フランキーの感情のないナレーションも相まって、ただの記録映像を見せられているような気分でした。

 コロナ患者の受け入れひとつとっても、病院内でいろいろあると思うのですが、そういうところは一切なく(ま、管理栄養士が病院の方針にあれこれ言えるわけがないのもわかりますが)、せっかくドラマなのだから、医療従事者たちの困惑など、血の通った人間が見たいものです。

 もっとも、始まったばかりなので、これからそういう物語をたっぷり見せていただけるものと期待はしますが、何度も何度も裏切られているもので…。



(桧山珠美/TVコラムニスト)

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