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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

糖尿病は“治る”病気…厳格なカロリー制限で46%が「寛解」

公開日: 更新日:

 糖尿病は治る病気でしょうか? 一度、糖尿病と診断されたら、一生治療を続けないといけない、と思われている方が多いかもしれません。たしかに一生治療が必要な糖尿病もあります。しかし、糖尿病にもいくつかのタイプがあり、そのタイプによっては治る場合もあるのです。

 糖尿病は「体質」と生活習慣など「環境の影響」の、両方が原因となって発症する病気です。体質の要素が強い場合や、インスリンというホルモンが高度に欠乏している場合には、一生治療が必要です。その一方で、食べ過ぎや運動不足、肥満などが積み重なって起こる糖尿病は、生活を改善して体重を健康的に減量することにより、治る可能性があるのです。

 2018年のランセットという一流の医学誌に発表された論文によると、イギリスで肥満を伴う発症から数年以内の糖尿病の患者さんに、厳密なカロリー制限によるダイエットを行ったところ、46%の患者さんが治療の必要ない状態に改善した、という結果が報告されています。

 これは厳密に言うと「寛解」と言って、治療せずに糖尿病の基準を下回った、という意味であることに注意が必要ですが、お医者さんに行かなくても問題ない状態となったことには変わりはありません。

 体重が増えて糖尿病と診断された方は、生活改善さえすれば、治る可能性があることを頭において、放置せずに生活改善に取り組むことが必要なのです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

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