自民党内で狭まる萩生田光一“包囲網”…政倫審「ゼロ回答」も、都連裏金疑惑の説明責任は避けられず
どこまでも不遜な男だ。
自民党の裏金事件を巡って、旧安倍派の「5人衆」の1人、萩生田光一元政調会長(61)が18日の衆院政治倫理審査会に出席。いつ、誰が、どのような意図で裏金づくりを始めたのか、野党議員が質問を重ねたが、眉間にシワを寄せ「分からないことは、正直分からない」と言い放ち、「ゼロ回答」だった。
今年2~3月に開催された政倫審に、5人衆の中で唯一出席していなかったため批判を招いていたが、本人は「出席の意思はあった」「その意思を党に伝えていた」と漏らした。その上で、10月の衆院選で非公認とされたことについて「党から政治責任を果たしていないというレッテルを貼られた」と逆ギレ。党執行部の対応をクサしてみせた。
さらに、自らの裏金が2728万円と巨額に上った理由について「文科相や経産相を務める中でパーティー券の購入希望者が増えたから」と説明し、「還付を期待して(券を大量に)売ったわけではない」と弁明。しかし、旧安倍派議員の秘書は「不記載が5年で数十万円なら誤差の範囲だが、4桁クラスは意図的でないとあり得ない」と話した。
萩生田氏は、これで説明責任を果たしたと思っているのだとしたら、大甘だ。実際は、着々と包囲網が敷かれつつある。
「前日の政倫審に出席した稲田朋美元防衛相が、自らも所属した旧安倍派会長だった安倍元首相の死後の派閥について『5人衆と言われる非公式な指導体制で運営されていた。塩谷立元文科相が座長になった時も実質的な代表権のない形式的代表であることは誰の目にも明らかだった』と痛烈批判。その上で、一度中止したキックバックが復活した経緯の説明を求めました。5人衆で政倫審に出ていなかったのは萩生田さんだけ。稲田さんは矛先を向けた格好です」(官邸事情通)