川淵三郎氏の“一日天下”にサッカー関係者が安堵したワケ
さるJリーグ関係者のボヤキ節だ。一夜明けて12日、密室後継者選びに批判が集中し、川淵会長―森相談役体制の流れが雲散霧消。あるJFA関係者は「いやぁ~、ホッとしました。川淵さんが晩節を汚さないで済んだ」と胸をなでおろした。
■「会長」の響きに自尊心をくすぐられた
12日午後に組織委員会の評議員会・理事会の合同懇談会が開かれ、会長就任を正式に辞退した川淵氏。懇談会後に「ボクのサービス精神から家の前のマスコミに黙っていられなかった。すべて俺が悪い」と総括した。
「川淵さんは<肩書>が大好き。『東京オリ・パラの選手村の村長になって欲しい』と森さんに要請されて受諾。今後も村長職を続けていくというが、当人は『最後の肩書が<村長>とは。死ぬまで村長、村長と呼ばれるのも……』と不満げともっぱら。それが東京オリ・パラの組織委員会のトップになれば、これからずっと五輪の会長さんと呼ばれる。やはり村長よりも会長。この響きの心地良さが川淵さんの自尊心をくすぐり、それが大ハシャギの大放言大会となってしまったが、問題山積の五輪の組織委会長になったら、批判の矢面に立たされることになる。第2の森会長にならずに済んだだけでも良かった」(関係者)
今もサッカー界に隠然たる力を持った“ドン”の「一日天下」。関係者にとっては朗報になったようだ。