スポーツ界で相次ぐ不祥事で加速する「公益法人化」の落とし穴が…識者が指摘
補助金着服にレジャー合宿。スポーツ界での不祥事が相次いでいる。
先月末には大阪バレーボール協会の会計担当者による約2600万円の着服が発覚。その直後にはフェンシングエペ日本代表が東京五輪前の昨年6月に沖縄で「観光合宿」を行っていたと、一部週刊誌で報じられた。
フェンシングの武井壮会長は一部を「不適切」と認め、助成金の申請を見送ると発表。協会の自主財源でまかなうという。日本における「マイナー競技」の場合、遠征費や強化費は日本オリンピック委員会(JOC)からの助成金で成り立っているケースが多い。
助成金や補助金など、公的な資金の不正使用が出るたび、競技団体で叫ばれるのが「公益法人化」だ。日本フェンシング協会は公益社団法人、日本バレーボール協会は公益財団法人。いずれも公益法人ながら、大阪バレー協会の着服問題では47都道府県全協会の法人化を目指すことが発表された。収支の透明性を重視した組織改革だが、安易な法人化にはデメリットもある。
スポーツライターの小林信也氏はこう言う。