新国立競技場に55歳“キング・カズ”三浦知良が! JFL史上最多1万6218人動員の面目躍如
記者席からは「(カズにパスをちゃんと)出せよ!」の声も
カズは、前線よりも下がり目の2列目でヒールパスを見せたり、相手選手2人に囲まれながら堅実にポストプレーをこなしたり、20代の若手選手に交じって奮闘。
終了間際には、左サイドからのクロスを想定して相手ゴール前に走り込み、ボールが来たら「左足ダイレクトシュートの絶好機」到来と思われたが、クロスが相手選手に当たってしまい、カズも珍しく両手を広げて残念ポーズ。カズシンパの多い記者席からは「(カズにパスをちゃんと)出せよ!」と悲鳴のような声も聞こえてきた。
現地で取材した元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏がこう言う。
■今の自分自身にできるプレーをきっちりこなす
「現在のカズには、前線でアグレッシブに走り回り、シュートに持ち込むだけのスピードを持ち合わせておらず、新宿戦も中盤エリアに下がってボールが来てもキープするとか、ドリブルに持ち込もうとするとか、そうしたプレーを封印してワンタッチで味方選手にボールを預けるプレーに終始。<今の自分自身にできるプレー>を正確に把握し、きっちりとこなして観客に満足感を与えるという意味では、さすがはキング・カズと言っていいでしょう」
ピッチ上で行われた試合後のインタビューの一番手は、もちろんカズである。
「最高の雰囲気でプレーできたことを誇りに思います。みなさんのおけがです。JFLの選手は、全員がハングリー精神をもって上(Jリーグ)を目指してやっていいます。ハングリー精神を忘れず、これからも努力してコツコツやっていきたい」と意欲満々コメントで締めくくり、ヤンヤの喝さいを浴びた。
ドリブルもシュートもゴールもなかったが、それ以外は「キング・カズ」の面目躍如ーー。