著者のコラム一覧
Ricardo Setyonジャーナリスト

リカルド・セティオン 1963年生まれ。サンパウロ出身。中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材。スポーツジャーナリストに転身し、8カ国語を操りながらブラジルメディア以外にも英「ワールドサッカー」、伊「グエリン・スポルティーボ」など幅広く執筆。BBCのラジオ番組にも出演。98年、02年のW杯期間中にブラジル代表付き広報を務めた。現在もジーコ、ロナウド、ロナウジーニョ、カフー、ドゥンガら大物との親交も厚い。13年コンフェデレーションズカップではFIFA審判団の広報。国内では「ワールドサッカーダイジェスト」「スポルティーバ」などでコラムを執筆中。ブラジルのマッケンジー大、パナマのパナマ大、イスラエルのハイファ大などでスポーツマネージメントの講義を行う。自他ともに認める「サッカークレージー」。

五輪サッカー日本対イスラエル戦がテロのハイリスク試合として警戒されている

公開日: 更新日:

 警備にはさまざまなテクノロジーも駆使されるよ。例えばパリの街は必要に応じて各区の入り口を封鎖する予定だ。許可がなくちゃ住民もタクシーもウーバーイーツも移動できない。入るには事前にQRコードを申請して、提示しなきゃいけないんだ。それから無人機攻撃も懸念して違法なドローンを網でからめ捕るスパイダーウェブガンが用意されているそうだ。不審な行動をする人物を群衆から割り出すAIカメラの導入も決まってる。顔認証を使っての24時間の監視も議会を通り、これはプライバシー侵害だって問題になっている。

■大岩ジャパンの首位通過に組織委が安堵

 ところで大会組織委員会は、日本のサッカー代表が首位通過してくれたことに、ものすごく感謝しているんだよ。試合前からアジア杯優勝チームはイスラエルと同組に入ることが決まっていた。ところが、準決勝に残った4チーム中3カ国がイスラム圏の国(ウズベキスタン、イラク、インドネシア)。彼らがイスラエルと衝突したら何が起こるか分からないからね。ただ、日本対イスラエルの試合は、五輪の中でもテロのハイリスクマッチのひとつに数えられている。サッカーは世界で最も注目度が高いし、観客動員数も多い。残念ながら試合は物々しい警備の中で行われるだろう。それにしても「平和の祭典」の「平和」をここまでしなきゃ守れないなんて、まさにクレージーだよね。(つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  2. 2

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  3. 3

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  4. 4

    吉村知事の肝いり「空飛ぶクルマ」商用運航“完全消滅”…大阪万博いよいよ見どころなし

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  2. 7

    大谷ファンの審判は数多い あいさつ欠かさず、塁上での談笑や握手で懐柔されている

  3. 8

    小泉進次郎の“麻生詣で”にSNSでは落胆の声が急拡散…「古い自民党と決別する」はどうなった?

  4. 9

    ドジャース地区連覇なら大谷は「強制休養」の可能性…個人記録より“チーム世界一”が最優先

  5. 10

    ドジャース地区V逸なら大谷が“戦犯”扱いに…「50-50」達成の裏で気になるデータ