藤田寛之さんが来季米シニアツアーのシード入り 2人きりの全米オープン予選会を思い出した
現地の宿舎は2階建ての安いモーテル。スタート時間は7時前だったか、とにかく早い。当日の朝はどこも飲食店はやっていない。マクドナルドを見つけたのでドライブスルーで注文すると、僕も藤田さんもマイクの声が何を言っているのかさっぱり。やがて店の人が出てきて、まだオープン前と教えてくれました。その後、コース方面に車を走らせると古くて小さな店が一軒だけ開いていて、そこでパンとコーヒー、エッグなどをお腹に入れて試合に向かいました。
トッププロになると、海外メジャーにはキャディーの他に、マネジャーや契約メーカーのスタッフ、トレーナーなども同行します。当時の相棒は外国に不慣れな僕だけなのに、藤田さんは不安な顔を見せたことは一度もなかった。体は小さいが肝っ玉は据わっているんです。予選会は1日2会場で36ホールをプレー。18ホールが終わるとレンタカーで次の会場へ移動しました。この挑戦は「不合格」に終わったものの、「全米オープンに出るのが夢なんだな」としみじみ思ったものです。
藤田さんは過去、4大メジャーに計20試合近く出て上位フィニッシュはかないませんでした。それが今年の全米シニアオープンではプレーオフに敗れて惜しくも2位。55歳の新たな挑戦が楽しみです。