演劇えんま帳
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窪田&柚希コンビの圧倒的存在感で魅了「唐版 風の又三郎」
1974年に唐十郎作・演出・出演により状況劇場が初演した作品。今回の演出は唐十郎の愛弟子である金守珍(劇団新宿梁山泊)。主演はテレビ、映画で活躍中の人気俳優・窪田正孝と元宝塚トップスターの柚希礼音。…
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文化庁・日本劇団協議会主催「花の秘密」軽妙に描く男と女
韓国を挑発し続ける安倍政権のおかげで日韓の政治はぎくしゃくしているが文化芸術の交流は盛ん。演劇でも着実に成果を上げている。 今公演は、文化庁による日本の演劇人の海外研修の成果公演であり、韓国…
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【追悼】高取英さん 過激で心優しき異端の劇詩人
人気劇団「月蝕歌劇団」の代表である劇作家・演出家の高取英さんが26日、虚血性心疾患のため世田谷区の自宅で亡くなった。享年66。 1982年に演劇舎螳螂が初演した「聖ミカエラ学園漂流記」は高…
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エロスとタナトス…三島文学に夢幻能で迫る「豊饒の海」
大胆極まりない企画だ。原作は三島由紀夫の遺作「豊饒の海」。「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」の4部作からなる大河小説だ。それを2時間45分の舞台にまとめる試みなのだから、無謀ともいえる。しかし…
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KAAT「華氏451度」 無機質な現代の日本社会へ警鐘を鳴らす
原作はSF小説の巨匠、レイ・ブラッドベリが1953年に発表した同名小説。本の所持や読書が禁じられた近未来社会を描いたもので、タイトルは紙が燃え始める温度(華氏451度=セ氏約233度)を意味している…
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「蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~」 詩人の魂を昇華
1986年に松金よね子、田岡美也子、岡本麗の3女優が結成した演劇ユニットの解散公演。2015年に初演された作品であり脚本の長田育恵が第19回鶴屋南北戯曲賞を受賞している。 サブタイトル通り、…
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On7「その頬、熱線に焼かれ」 原爆乙女の矛盾と葛藤を活写
劇団チョコレートケーキの古川健が2015年に新劇女優7人のユニットであるOn7(オンナナ)第2回公演のために書き下ろした作品で、演出は日澤雄介。 原爆投下から10年の1955年。広島で被爆し…
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松坂桃李が非情な殺人マシンの複雑な内面を浮き彫りにした
人気俳優・松坂桃李がIRA(アイルランド共和国軍)の“殺人マシン”ヴィクター・マクガワンを演じる3部作(トリロジー)。作者はアイルランドの作家、シェーマス・スキャンロン。演出は小川絵梨子。 …
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青年座「安楽病棟」 超高齢化社会の“生と死”の問題を凝縮
原作は精神科医で作家の帚木蓬生、脚本は杉村春子賞受賞のシライケイタ、演出は気鋭の磯村純。 舞台は東京郊外の認知症病棟。お地蔵さんの帽子と前垂れをひたすら縫い続ける女性、夫の差し入れするサーモ…
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浅利演出事務所「李香蘭」 時代経てさらに深化した反戦劇
浅利慶太演出の劇団四季オリジナルミュージカルとして1991年に初演されて以来、今回の公演で900回に迫るという人気作だが、27年という時間は「平和国家日本」の様相をガラリと一変させてしまった。そのた…
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元「男闘呼組」が新生面 高橋和也の迫真の演技に身震い
坂手洋二(作・演出)が演劇集団円の岸田今日子と塩見三省のために2002年に書き下ろした二人芝居。今回は高橋和也と都築香弥子が出演。 舞台設定は2002年。一人の男が刑期を終えて出所する。彼は…
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2つの顔を往還 小泉今日子が見せつけた圧倒的な存在感
小泉今日子がアングラ・小劇場の老舗「椿組」に主演し、劇場が下北沢の小劇場ザ・スズナリということで話題の舞台。劇作家・青木豪が彼女に「当て書き」し、文学座のエース・高橋正徳が演出したもので、期待にたが…
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石原さとみのナチュラルな演技が光る「密やかな結晶」
芥川賞作家・小川洋子の原作を舞台化したもので、脚本・演出は岸田國士戯曲賞作家・鄭義信。 舞台はとある小島。この島では次第にモノが消滅していく。香水、鳥、鈴、リボン……さまざまなものが消滅し、…
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「愛されたい女たち」の願望と心の痛みをリアルに体現
主宰者で作・演出の矢島弘一はテレビドラマ「コウノドリ」などの人気脚本家。「毒島ゆり子のせきらら日記」で向田邦子賞を受賞している。 舞台は北海道の小さな漁師町。年の離れた茉莉花(加藤玲奈)と再…
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終盤の展開に涙…故郷を喪失した人々の哀しみと再生
夕張――かつて良質な製鉄用コークスを産出し、「炭鉱の町」として高度経済成長を支えた町。しかし、国のエネルギー政策の転換により、閉山に追いやられ、ついには財政破綻。町を出ていく人は後を絶たず、2015…
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7000人が無言の抗議…安倍政権に危機感を強める演劇界
安倍首相の続投によって演劇界が危機感を強めている。2015年9月19日の「戦争法」強行採決を機に発足したのが「安保法制と安倍政権の暴走を許さない演劇人・舞台表現者の会」だった。 呼びかけ人は…
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不条理の間を往還 ナンセンスでブラックな超一流の笑い
作・演出の山内ケンジはCMディレクター出身。2004年に女優の故深浦加奈子とのユニット「城山羊の会」で演劇活動を開始。15年には岸田國士戯曲賞を受賞。昨年は映画監督第3作「At the terrac…
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井上ひさしの傑作「きらめく星座」 排除の時代への抵抗
1985年初演の井上ひさしの音楽劇であり、きら星のごとき井上作品群の中で飛び抜けた傑作といっていい。演出は栗山民也。 舞台は1940年、浅草にある小さなレコード店「オデオン堂」。そこに暮らす…
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「散歩する侵略者」 キナ臭い時代に向けた痛烈メッセージ
SF的な手法で日常に潜む異界を独自の視点で描く前川知大(作・演出)。虚構でありながらリアルな手触りが特徴。この舞台は映画化された代表作をブラッシュアップしたもの。 日本海に面した小さな港町。…
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テーマは「老いる」 三田村周三の枯淡の演技が胸を打つ
人は誰でも心の片隅に消すことのできない「染み」を抱えながら生きている。人生という緩やかな時の流れの中で、向き合わなければならないその「染み」は例えば、老いであり、病いであり、家族の愛憎である。 …