著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

On7「その頬、熱線に焼かれ」 原爆乙女の矛盾と葛藤を活写

公開日: 更新日:

 劇団チョコレートケーキの古川健が2015年に新劇女優7人のユニットであるOn7(オンナナ)第2回公演のために書き下ろした作品で、演出は日澤雄介。

 原爆投下から10年の1955年。広島で被爆し、顔や腕、脚などにケロイドが残った独身女性25人が選ばれ、最先端医療のアメリカで整形手術を受けるために渡米する。彼女たちは「原爆乙女」と呼ばれた。

 舞台はニューヨークの病院ロビー。手厚い看護と献身的な医師たちにより手術は順調に進んでいたが、智子(安藤瞳=青年座)が術後に原因不明のまま死亡する。さほど難しい手術ではなかったことから医師、関係者、そして手術を控える女性たちに動揺が広がる。

 敏子(尾身美詞=青年座)、昭代(吉田久美=演劇集団円)、節子(保亜美=俳優座)、信江(小暮智美=青年座)、弘子(渋谷はるか=文学座)。開きっぱなしの目、癒着した口……障害はさまざま。手術が成功し、帰国を待つばかりの美代子(下池沙知=文学座)もいる。

 智子は6人には見えないが常に彼女たちに寄り添い励ます。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「アッコにおまかせ!」存続危機 都知事選ミスリードで大炎上…和田アキ子には“75歳の壁”が

  2. 2

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  3. 3

    石丸伸二氏に若者支持も「上司にしたくない?」…妻や同級生の応援目立った安野貴博氏との違い

  4. 4

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 5

    日テレ都知事選中継が大炎上! 古市憲寿氏が石丸伸二氏とのやり取り酷評されSNSでヤリ玉に

  1. 6

    松本人志の“不気味な沈黙”…告発女性が「被害受けた認識ない」有利な報道に浮かれないワケ

  2. 7

    石丸伸二氏は都知事選2位と大健闘も…投票締め切り後メディアに見せた“ブチギレ本性”の一端

  3. 8

    東山紀之はタレント復帰どころじゃない…「サンデーLIVE‼」9月終了でテレビ界に居場所なし

  4. 9

    安藤美姫が“不適切キャラ”発揮ならメディアは大歓迎? 「16歳教え子とデート報道」で気になる今後

  5. 10

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる