本の森
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「ヤバい神 不都合な記事による旧約聖書入門」トーマス・レーマー著 白田浩一訳
「ヤバい神」というと、怪しげな新興宗教を思い浮かべるかもしれないが、ここで論じられるのは旧約聖書に描かれる「怒りっぽく、嫉妬深い」神のことだ。紀元前に成立した旧約聖書には、今日の目から見ると、女性蔑視…
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「編集者ディドロ 仲間と歩く『百科全書』の森」鷲見洋一著
1960年代初頭、日本では空前の百科事典ブームが起こり、一家に1セットといわれるほど百科事典が各家庭に浸透していった。その百科事典のパイオニア的な存在が、ディドロ、ダランベールらが編集した「百科全書…
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「音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む」川原繁人著
鋭角的でギザギザな図形と柔らかな曲線の図形がある。どちらが「タケテ」でどちらが「マルマ」という名前かと問うと、母語や年齢に関係なく大多数の人が前者をタケテだと答える。音声学には阻害音と共鳴音という子…
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「生きもの毛事典」保谷彰彦文 川崎悟司イラスト
覚醒剤などの違法薬物摂取の真否に関して毛髪鑑定が有用なことはよく知られている。最近では、薬物を使った性犯罪で被害者の毛髪鑑定が捜査の突破口になると注目されている。太さ0.1ミリに満たない毛の中に多様…
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「『ネコひねり問題』を超一流の科学者たちが全力で考えてみた」グレゴリー・J・グバー著 水谷淳訳
猫は高い所から落ちると、最初にどんな姿勢であっても必ず足から着地する。この特異な能力は、どのようなメカニズムによって成り立っているのか──この「ネコひねり問題」を巡って何百年もの間、科学者たちがかま…
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「サスペンス小説の書き方」パトリシア・ハイスミス著 坪野圭介訳
昨年末に映画にもなったテレビドラマ「あなたの番です」は、交換殺人をテーマにして大きな話題を呼んだ。交換殺人は殺人相手を交換することで、動機が不明確になりアリバイもつくれる。数多くのミステリーで使われ…
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「食虫植物」福島健児著
植物は光合成によってでんぷんなどの養分を得て成長するのが基本であるが、食虫植物は「動物をだまし、捕らえ、文字通り食べてしまう」という独特の生存戦略をとっている。この奇妙な存在は進化学の祖チャールズ・…
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「離婚の文化人類学」アリソン・アレクシー著 濱野健訳
日本人の離婚率は1990年代に入って増加の勢いが増し、2002年の2.3%をピークに漸減、現在は1.6%前後となっている。婚姻件数と離婚件数の比率はおよそ35%前後、3組に1組が離婚していることにな…
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「地下出版のメディア史」大尾侑子著
野坂昭如の「好色の魂」は「好色出版の帝王・貝原北辰」を主人公にした長編だが、そのモデルは、大正末から昭和初期にかけてのエロ・グロ・ナンセンス文化を領導した出版人・梅原北明だ。 「昭和初期を荒れ…
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「薬草ハンター、世界をゆく」カサンドラ・リア・クウェイヴ著 駒木令訳
本書の副題は「義足の女性民族植物学者、新たな薬を求めて」。ベトナム戦争に従軍した著者の父は、米軍が散布した枯れ葉剤を浴び、第1子の著者は先天性の骨格異常をもって生まれ、3歳で右下腿を切断、以降義足を…
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「〈洗う〉文化史」国立歴史民俗博物館・花王株式会社編
経産省の調査によれば新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降、せっけん類の生産は増加しているという。しかし、逆に洗顔クリーム類は減少しており、これは化粧をする機会が少なくなってクレンジングな…
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「シカの顔、わかります」南正人著
宮城県牡鹿半島の先に浮かぶ小さな島、金華山。島には600頭ほどのシカが生息している。著者は、1989年から黄金山神社周辺で生活する150頭のシカ全部に名前をつけ、行動観察を始めた。以来33年間で約1…
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「戦時下の大衆文化 統制・拡張・東アジア」劉建輝、石川肇編
2019年10月現在、海外在留邦人は約141万人。対して、1945年前半にはおよそ200万人が中国大陸へ移住しており、これに100万人以上の軍人・軍属を加えると、当時の7000万人の国民人口中、20…
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「愛書狂の本棚」 エドワード・ブルック=ヒッチング著 髙作自子訳
2002年、グーグルは現存するありとあらゆる紙の出版物を電子化するプロジェクトをスタートさせた。そこで発表された現存する紙の本の総数は1億2968万4880冊(2010年)。過去に失われたすべての本…
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「飛ばないトカゲ」小林洋美著
現在、世界では毎年160万件ほどの自然科学系の論文が発表されている。そうした論文の中には思わず「へえー!?」とうなってしまうような不思議な研究もある。 「論文のソムリエになりたい」という著者が…
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「あの図書館の彼女たち」ジャネット・スケスリン・チャールズ著 髙山祥子訳
パリのアメリカ図書館は、第1次世界大戦中にアメリカの図書館から戦地の兵士たちに送られた多数の本を基に創設された図書館で、英語の書籍や定期刊行物を提供する、アメリカ文化の情報発信基地だ。1920年創設…
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「ハレム」小笠原弘幸著
昨年末、政府の有識者会議は皇室継承の在り方についての最終報告書で、女性皇族が結婚後も皇室に残る、皇族の養子縁組を可能にするという2案を提示した。日本の皇室のみならず世襲君主制を採用している国では、い…
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「『欲しい!』はこうしてつくられる」マット・ジョンソン、プリンス・ギューマン著 花塚恵訳
スマホの普及ならびにコロナ禍の影響により、2020年の日本のネット通販市場は12兆円を超えたという。通販サイトには多種多様な商品が陳列されており、消費者はそこから欲しいものを自分で選んでいると思って…
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「老子探究」 蜂屋邦夫著
「求めない──すると簡素な暮しになる」「求めない──すると心が静かになる」「求めない──するとひとから自由になる」……印象的なリフレインでつづられる加島祥造の「求めない」(2007年)は、詩集としては…
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「ゾウが教えてくれたこと」入江尚子著
野生のアフリカゾウは100年前の1000万頭から現在の35万頭と、97%も激減、このままでは近い将来野生のアフリカゾウは絶滅する危機に陥っている。激減の理由の一因は象牙獲得のための密猟で、1980年…