本の森
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「飛ばないトカゲ」小林洋美著
現在、世界では毎年160万件ほどの自然科学系の論文が発表されている。そうした論文の中には思わず「へえー!?」とうなってしまうような不思議な研究もある。 「論文のソムリエになりたい」という著者が…
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「あの図書館の彼女たち」ジャネット・スケスリン・チャールズ著 髙山祥子訳
パリのアメリカ図書館は、第1次世界大戦中にアメリカの図書館から戦地の兵士たちに送られた多数の本を基に創設された図書館で、英語の書籍や定期刊行物を提供する、アメリカ文化の情報発信基地だ。1920年創設…
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「ハレム」小笠原弘幸著
昨年末、政府の有識者会議は皇室継承の在り方についての最終報告書で、女性皇族が結婚後も皇室に残る、皇族の養子縁組を可能にするという2案を提示した。日本の皇室のみならず世襲君主制を採用している国では、い…
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「『欲しい!』はこうしてつくられる」マット・ジョンソン、プリンス・ギューマン著 花塚恵訳
スマホの普及ならびにコロナ禍の影響により、2020年の日本のネット通販市場は12兆円を超えたという。通販サイトには多種多様な商品が陳列されており、消費者はそこから欲しいものを自分で選んでいると思って…
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「老子探究」 蜂屋邦夫著
「求めない──すると簡素な暮しになる」「求めない──すると心が静かになる」「求めない──するとひとから自由になる」……印象的なリフレインでつづられる加島祥造の「求めない」(2007年)は、詩集としては…
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「ゾウが教えてくれたこと」入江尚子著
野生のアフリカゾウは100年前の1000万頭から現在の35万頭と、97%も激減、このままでは近い将来野生のアフリカゾウは絶滅する危機に陥っている。激減の理由の一因は象牙獲得のための密猟で、1980年…
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「ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級」新井潤美著
19世紀のヨーロッパ小説、とくにイギリス小説を読むときに欠かせないのは階級意識だ。貴族が属するアッパークラスから一般の労働者が属するワーキングクラスまで、階級によってその所作から言葉まで異なり、その…
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「物価とは何か」渡辺努著
ロシアのウクライナ侵攻による原油価格の高騰などもあり、新年度に入ってから日用品や食料品の値上げが相次いでいる。近年の日本はデフレ傾向にあり、このところの消費者物価指数は1%前後を推移していたが、パン…
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「悪い言語 哲学入門」 和泉悠著
先のアカデミー賞授賞式で、主演男優賞を受賞したウィル・スミスが妻の髪形をジョークにされたことに怒って、プレゼンターのクリス・ロックを平手打ちにしたことが話題となった。本書にはショーペンハウアーの「騎…
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「清少納言がみていた宇宙と、わたしたちのみている宇宙は同じなのか?」池内了著
清少納言が生きていたのはおよそ1000年前。オリオン座のβ星リゲルまでの距離が850光年だから、清少納言の少し後にリゲルから放たれた光を、今我々が見ていることになる。「枕草子」に「星は すばる。ひこ…
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「恥のきずな」カルロ・ギンズブルグ著 上村忠男編訳
ミクロヒストリア(小さな歴史学)と呼ばれる、小さな共同体やある個人に焦点を当てた新しい歴史学の動きが出てきたのは1970年代からだが、その代表的な著作がカルロ・ギンズブルグの「チーズとうじ虫」(19…
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「菌類が世界を救う」マーリン・シェルドレイク著、鍛原多惠子訳
多細胞生物の大きなグループとして、動物界、植物界、菌界の3つがある。本書の副題に「キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力」とあるように、菌界に属する菌類の代表的なものがキノコ・カビ・酵母である。世界には…
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「すごいトシヨリ散歩」池内紀、川本三郎著
ドイツ文学者でエッセイストの池内紀が亡くなったのは2019年8月30日。享年78。2016年3月から亡くなる直前まで3カ月に1回、評論家の川本三郎と対談を行い、それをまとめたのが本書。4歳下の川本に…
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「アウシュヴィッツ生還者からあなたへ」リリアナ・セグレ著 中村秀明訳
鶴見俊輔が「思想の科学」誌上で「語りつぐ戦後史」という対談企画を始めたのは1967年のこと。戦争体験を「語りつぐ」試みのかなり早い例だろう。76年には戦後生まれ人口が戦前生まれ人口を初めて上回り、現…
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「ヒュパティア」エドワード・J・ワッツ著 中西恭子訳
紀元350年ごろエジプトのアレクサンドリアに生まれたヒュパティアは天文学、数学にも造詣の深い哲学者で、その哲学講義は市民に大きな人気を得ていた。しかし権力抗争に巻き込まれ、修道士の一群に襲われて衣服…
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「アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険」宮田珠己著、網代幸介画
イングランドの騎士ジョン・マンデヴィルが記した(とされる)「東方旅行記」は、著者がコンスタンティノープル、エルサレム、バビロンなどを経てはるか東方の異世界を訪れ、旅先での見聞を記したもの。ここには、…
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「魚にも自分がわかる」幸田正典著
動物界の知性・社会性の階梯(かいてい)は霊長類、その他の哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類・両生類、魚類の順に劣っていくとされていた。しかし近年、鳥類は道具作り、推論、過去を記憶して未来について考える…
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「ぼくが歌う場所」中川五郎著
日本の第1次フォークソングブームは1960年代半ばに始まるが、東京圏のいわゆるカレッジフォークとは全く違った風が関西から吹いてきた。ザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」と高石ともやの…
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「ドードーをめぐる堂々めぐり」川端裕人著
「不思議の国のアリス」に「堂々めぐりと長い尾話」という一節がある。池に落ちたアリスが体を乾かそうと変てこりんな動物たちの一団とかけっこをするというもの。そこで賞品の代わりに指ぬきをアリスにあげる嘴(く…
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「『木』から辿る人類史」ローランド・エノス著 水谷淳訳
人類の文明は、石器時代、青銅器時代、鉄器時代の順に発達を遂げてきたというのが定説とされてきたが、ここには肝心な素材が抜けている。木材だ。著者はいう、「私たちの進化と文化の長い歴史に連続性を与えている…