「東京難民」佐々部清監督

公開日: 更新日:

 ごく普通の若者が父親の失踪を機に大学を除籍、賃貸マンションを追い出され、あっという間にホームレスへと転落していく。底の抜けた日本社会の今、落ちてきた者を食い物にする貧困ビジネスにも迫った本作は、大人も他人事ではない。佐々部清監督(56)に聞いた。

――借り主の権利を認めないゼロゼロ物件などが微細に描かれてますが、どこまで事実なのでしょうか?

「ほぼ全て、です。福澤徹三さんが原作を雑誌で発表されたのが2007年ですので、脚本家の青島武さんが新たに取材し、さらに震災後の社会情勢を反映させました。僕も撮影中は新宿で1DKを借りまして、ネットカフェといった場所を回ってみました。格差などの問題はTVのドキュメンタリーで見る程度だったんですが、実際に取材して、ここまで切羽詰まった状況なのかと驚くとともに、これはきちんと世に出すべきだと思ったのです。エンターテインメント作品なのですが、状況はリアルじゃなければならないと思いました」

――最近は職や住所を失っても、服装などから判別しにくいことから「見えないホームレス」といわれていますね。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方