吉本興業社長が熱弁した“クールジャパン20年構想”の勝算
ニッポンの“名物”社長のひとりだが、日本外国特派員協会での会見は昨16日が初めてだという。吉本興業(本社・大阪市)の大﨑洋社長(61)。「吉本興業のアジアにおける“クールジャパン推進計画”」をテーマに約90分間、展望を語った。
きっかけは、10月末に正式発表している合弁会社「MCIPホールディングス」の設立。同社はアジア各国でのビジネス展開、日本のポップカルチャーを本腰で売り込むことを目的とし、吉本が旗振り役で、電通、ドワンゴ、ソニー・ミュージックエンタテインメント、学校法人滋慶学園グループ、イオンモールといった異業種6社が共同で事業運営する。
すでに官民ファンドの「クールジャパン機構」から10億円の出資が決まっていて、総額21億円をかけた一大プロジェクト。外国メディアも興味津々で、「日本の漫画やアニメ人気はごく一部のもの。世界は文化のコモディティー化に疲弊しており、どんな策を考えているのか」「国のカネを使うなら、役人が口出ししてくるがどう対処するのか」「MCIP社長の女性起用は、アベノミクスの成長戦略の支援を意味するのか」といった具合に、鋭い質問が向けられた。