ドラマ「重版出来」で話題 若い編集者も読めない業界用語
4月から始まったドラマ「重版出来!」(TBS系)。これ、なんと読むか分かるだろうか。でき……? 答えは、「じゅうはんしゅったい」である。
同ドラマは「月刊!スピリッツ」(小学館)で2011年から連載中の人気漫画を原作としたもの。週刊コミック誌に配属された新米編集者の日常と奮闘を描いた作品である。
ところで、「出来」を「しゅったい」と読む「重版出来」とは一体どういう意味なのか。大手出版社の書籍編集者に聞いてみると、「本の売れ行きが好調で在庫が少なくなってくると、もう一度印刷・製本をします。それが『重版』です。『出来』は物事が出来上がる、という意味の日本語ですね。つまり、重版が出来上がりましたよ、という意味の言葉で、本の広告や、重版が決まった本の帯などに目立つように入れたりします」とのこと。
ただし、この編集者によれば、「普段、重版が決まったことを言うときには『重版かかった』『増刷決定』などという言い回しを使っています。しゅったい、とは言いませんね。広告や帯に文言を入れるよう指示するときにも、『重版でき、と入れてください』のように『でき』と読むのが慣例になっています」とか。業界では当たり前に飛び交う用語かと思いきや、口語では、ほとんど使うことがないのだという。