年収2億円→生活保護に 孤独死「金ピカ先生」の寂しい晩年
「朝からビール飲んでますよ。いつ死んでもいいんですから。やりたいこともないし、やることもない。隠居、生きる屍です。早く死にゃあいいと思っていますから」
スポーツ報知などのインタビューでそうコメントしたときの写真は痩せ細って目がうつろ。電気料金にも事欠く薄暗い部屋は荒れ、チェーンスモークで灰皿はたばこの吸い殻が山になっていたという。だが、それまでの人生を「バラ色。大満足。もう未練ない」とも語り、ホテルは最上級スイート、移動はハイヤー、グリーン、ファーストクラスが当たり前だったバブル時代を振り返っていた。
全盛期が金ピカだった分、それとは対照的な晩年の寂しさが目立ってしまうのだ。
「注目すべきは生活保護という点」と、ある法曹関係者がこう言う。
「いまの隠居者でみれば、そう珍しいことではないと思います。年金が少なすぎて、それだけで生活するのは不可能と、還暦過ぎてアルバイトするのが当たり前という時代ですからね。現役時代は会社社長で、ビルも所有していた人が時給700円で、夜勤までして、10万円ちょっとの月収で糊口をしのいだりしている。体を壊したら当然、働けませんから、生活保護を申請しなければ生きていけない。晩年の佐藤さんにたばこや酒を買うお金があったとすれば、まだ恵まれていた方かもしれません」
定年後は盆栽や旅行、グルメなどを楽しみながら、悠々自適に過ごす。そんな人生プランを刷り込まれてきた佐藤さんの教え子、中高年世代も金ピカ先生の最期は決して他人事じゃないのだ。