一生懸命やる若手と枯れたおじいさん…それが寄席の世界

公開日: 更新日:

 一之輔は将来、どんな落語家になりたいのだろう。

「そうですねえ。おじいさんになったら、昼席の1時半ぐらいに出て、12、13分しゃべって、受けるわけでなく、受けないわけでもなく高座を降りて、『お先ぃ』と帰って行く。かみさんに頼まれたお使いにスーパーへ寄って、干物かなんか買って帰る。それを夕飯に酒飲みながら食べて、8時ごろには寝ちゃう。それが理想というか夢ですね。僕が前座の頃、先代柳家小せん師匠とか、入船亭扇橋師匠がそんな感じでした。一生懸命やる若手と、そういう枯れたおじいさんがいるのが寄席なんです。寄席が好きでこの世界に入った者としては、これからも寄席を大事にしたいですね」

 この気持ちがあるから、年間900席も演じられるのだろう。  =おわり

(聞き手・吉川潮)

▽春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)本名・川上隼一(かわかみ・としかず)。1978年、千葉県野田市出身。2001年、日大芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。前座名「朝左久」。04年、二つ目に昇進し「一之輔」と改名。12年、真打ち昇進。 

【連載】春風亭一之輔 大いに語る

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方