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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

ブッチャー、おまえは大失敗したんだ。終わったんだ

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 アメリカのバイデン大統領はプーチンに怒りが収まらず「あの男はBUTCHERだ」と罵っていた。虐殺者だとここへきて改めて罵倒した。そして「プーチンは権力の座に居残っていてはならない(CANNOT REMAIN IN POWER)」と激高しながら本心を言った。米政府はアメリカがロシアを体制転換させる戦略はないとわざわざ訂正していた。バイデン自身は「オレは道徳的に許せんと怒ってるまま言うたんや。撤回なんかするか」と謝らなかった。当たり前だと思った。

 ここまで非道な侵略戦争をやらかしている本人はもちろん、バイデンの怒りが世界中に伝わったし、逆に分かりやすかった。プーチンの理屈だけの「平和維持軍」で侵攻し、ウクライナの民間人や子供の虐殺者となり果てた人間とはもう何の価値も共有できないし、まともにつき合える言語もないし、誰か民主主義というものを普通に考えられるリーダーはロシアにおらんのかと、バイデンは嘆いてるように思えた。そして、ロシア国民にこそ、その発言が伝わればいいのにと世界中の民主主義国の人たちが思ったことだろうが。

 確かに、世界の新興国には専制政治をする国が多いし「権力の座に居座るな発言」をアメリカの干渉作戦かと思う独裁者もいるだろうが、こんな非道なプーチン政権でいいのか悪いのか、そろそろロシア国民こそが決め直す時がきているんだと、バイデン大統領も言いたかったんじゃないのか。ロシア国民はどう考えてるんだ。なんで支持率が高いのか分からない。

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