“ないもの”は倍増できない! 岸田さん、庶民がそこそこ貯金できる生活にして下さいよ
日本語というのは難しい。頭に少し文字を足しただけで、全く意味が違ってしまう。
岸田総理が総裁選で公約に掲げた、「所得倍増計画」。当初この頭には「令和の」という文字がついていた。つまりあの昭和の「所得倍増計画」の令和版。
しかし総理になった途端この言葉をひっこめ、「倍増とは必ずしも『2倍』という意味ではない」などと言い出す始末。つまり「所得倍増計画」は実は「所得倍増(できたらいいなあ)計画」であって、(できたらいいなあ)の部分は悪徳金融業者のチラシのようにすっごい小さい字で書いてあったというわけだ。
すると今回は外遊中の講演で、「資産所得倍増計画」をぶち上げた。あれ、また頭になんか文字がついてるぞ。「資産」てなんだ。ここが日本語の難しいところだ。これは「資産」も「所得」も「倍増」するということなのか。それとも「資産所得」を倍増するということなのか。
実態を聞いてさらに驚いた。「皆さん、今日本には2000兆円の貯金が眠っています。それを投資に回して2倍に増やしましょう」って話だった。おいおい。所得倍増でもなんでもないだろう。我々が爪に火をともすようにして貯めた将来に備えるためのお金を、「その金私に預けませんか。倍に増やしてあげますよ」と猫なで声で近づいてきているのだ。チラシどころか悪徳金融業者そのものではないか。