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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

想定外の感動を巻き起こす パンサー尾形の常軌を逸した直情っぷり

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「経理の人が、NHKの番組は尾形なわけねぇって向井に入れてんですよ」(尾形貴弘/テレビ朝日系「アメトーーク!」8月25日放送)

 ◇  ◇  ◇

 パンサーの尾形貴弘(45)が数学の難問を解説する「笑わない数学」というウソみたいな番組が、NHKで放送されている。本人も始まるまでドッキリを疑ったほど、信じられない仕事だったため、あり得ない“事件”が起きた。なんと、そのギャラが尾形ではなく、メンバーの向井に振り込まれたのだ。その理由を語ったのが今週の言葉だ。

 尾形といえば、ドッキリというイメージが定着している。その良くも悪くも単純で真っすぐな性格ゆえ、仕掛ける側が想定外の事態を巻き起こす。たとえば「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)で行われた「パンサー新メンバー加入ドッキリ」(2020年5月12、19日)。もともとは金に汚い、嫉妬深いといった彼の本性を見ようという意図だった。最初こそ想定通りギャラの配分が少なくなることを危惧していた尾形だが、向井らの説得に応じると、想定以上に前向きになってしまう。自分を慕ってくれる新メンバーの「モッくん」をいたく気に入り、ドッキリだとネタバラシされた後は、見ていてかわいそうになるほど落ち込んでいた。

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