“トカちゃん”こと渡嘉敷勝男さんがテレビから消えたワケ…転機は還暦での独立だった
「人生勉強をしよう」と芸能界入り
さて、沖縄生まれ、兵庫・宝塚市育ちの渡嘉敷さんは、当時、世界チャンピオンだった具志堅用高の試合をテレビ観戦して発奮。高校を2年で中退して上京し、1978年、18歳でプロデビューすると、81年、WBA世界ライトフライ級チャンピオンになり5度防衛した。
「上京してたまたま入ったのが、具志堅さんが在籍するジムでした。現役の世界チャンピオンの練習や節制を、そばで見られたのが良かった。現役時代の具志堅さんは、喫茶店に入って飲み物を頼んでもゴクゴク飲まず、小鳥みたいにときどきペロペロとなめるようにしか飲みませんでした」
84年に引退すると、芸能界入り。「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」や「たけし・逸見の平成教育委員会」(フジテレビ系)などで活躍。明るいキャラクターで人気を得た。
「24歳までボクシング漬けだったので、人生勉強をしようと芸能界に入りました。たけしさんが『トカちゃん、一杯行こうよ』と誘ってくれて、よく朝まで飲んでいました。たけしさんは飲むと冗舌になる。ボクシングや裏社会、女性の話が多かったかな(笑)」
都内で家族3人暮らし。
(取材・文=中野裕子)