ジュリアナをバブルの象徴にする愚かさ
またか……。
バブル期を象徴するシーンとして、お立ち台で踊るボディコン娘たちがテレビに映し出された。
カネまみれのバブル期(1986年11月から91年5月までの55カ月)を振り返る際に、ボディコン・お立ち台・ジュリ扇の3点セットは定番になってしまった。
ジュリ扇は、鳥の羽根でできた大仰な扇子で、「ジュリアナ東京」という91~94年に存在した超人気ディスコでのお立ち台に上がったボディコン娘たちが誇らしげにあおった。
勢いのあるユーロビートに合わせて踊る彼女たちは、土地と株とゴルフ会員権が天井知らずで値上がりする当時のヒートアップしたバブル期を象徴するものとして、今でもたびたびメディアで取り上げられる。
だが、これは歴史的誤謬である。
狂気のバブル期は91年5月にパチンと破裂。以後、長期のデフレ不況に陥る。
ジュリアナ東京が、ウオーターフロントと呼ばれた港区芝浦に誕生したのは91年5月15日。お立ち台のボディコン、ジュリ扇が、しきりにメディアで取り上げられたのが92、93年。とっくにバブルははじけ、世の中は不況風にさらされていたのだ。