フジテレビやり直し会見「大失敗の本質」…危機管理の専門家も「ますます不信感を募らせる結果に」とバッサリ
「フルオープン、時間無制限」で行われたフジテレビの「やり直し会見」は、午後4時開始で、終了は深夜2時23分。前代未聞の10時間超の会見は、報道関係者やユーチューバー、フリーなど、191媒体、437人が集まった。
すでに引退した元SMAP中居正広(52)と同社勤務の女性との「性的トラブル」を巡り、幹部社員Aの関与が問題視された件で、対応の責任を取る形で港浩一社長、嘉納修治会長は辞任を発表。しかし、事実関係について食い下がる記者の質問に対しては、女性のプライバシー保護を理由に今回も詳細はほぼゼロ回答。途中、中居と女性との間にあった認識の違いについて問われた遠藤龍之介副会長が、「同意・不同意の不一致があった」と発言。しかしその後、司会者にメモが入り、「プライバシーの関係からお答えできません」と発言の撤回と訂正が入り、紛糾した一幕もあった。
企業の危機管理に詳しい危機管理コンサルタントで、元社会構想大学院大学教授の白井邦芳氏も呆れてこう言った。
「1回目の会見は失敗と認め、今回は説明責任を果たすと言いましたが、被害者女性の心のケアと第三者委員会の調査に委ねることを理由に、事実関係については今回もほとんど明らかにせず、ますます不信感を募らせる結果にしかなっていません。一番の問題は、内部統制上の問題で、会社のガバナンスが機能していないことを世間に露呈してしまった。問題が起こった時に、重要な判断をすべき港社長はそれを放棄していた。これを不作為と言いますが、コンプライアンス推進室や他の役員に伝えることもなく、中居氏の番組の継続もほったらかし。被害者女性に話を聞くこともなく、『被害者女性に寄り添う』といった言葉は空虚なものになった」