思春期の子供の不登校の原因は「起立性調節障害」かもしれない
朝起きられず、思春期では不登校につながりやすいのが「起立性調節障害(OD)」だ。東京医科大学病院小児科・思春期科の「子どもの心とからだ外来」には、ODで不登校になった子どもたちが多数訪れる。ODに関する論文も多い呉宗憲医師に話を聞いた。
起立性調節障害(OD)は「朝起きられない」「午前中調子が悪い」「立ちくらみやめまいを起こしやすい」などの症状がある。一般的に、自律神経が不安定なため起立時に脳内の血流低下や低血圧が起こることが原因とされている。
「しかしODで不登校のお子さんでは、自律神経の不安定さ、慢性的な睡眠不足、概日リズムの後退、心理的ストレス、夜型化した社会環境など、困りごとや課題が複雑に絡んでいることが少なくありません」
だから血液循環の異常に対する治療、すなわち生活習慣の改善、水分や塩分の摂取、弾性ストッキングの使用、運動、薬物だけでは不登校解消につながりにくい。困りごとは大きく分類すると「身体的側面」「心理的側面」「社会的側面」があり、全てにアプローチする必要がある。