「動物工場」ノヴァイオレット・ブラワヨ著、川副智子訳

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「動物工場」ノヴァイオレット・ブラワヨ著、川副智子訳

 アフリカにある動物の王国ジダダで、建国40周年を祝って建国の父、オールド・ホースがスピーチを始めようとしていた。かつて不毛の地にいた動物たちは、楽園を目指してこの地にたどり着いた。

 彼の統治の初めの頃は、彼が現れるだけで病む者は癒え、イナゴの大群は進む方向を変えたのだ。動物たちは喝采を送ったが、いま、建国の父が現れると息をのんだ。彼はほんのかすかなそよ風でも倒れそうに見えた。彼のスピーチが佳境に入ろうとしたとき、12匹の全裸の雌が乱入し、「消えてしまった者たちの姉妹」と書いた横断幕を掲げた。

 2017年のクーデターを下敷きにジンバブエの女性作家が書いた長編の寓話。 (早川書房 4290円)

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