「60%」柴田祐紀著
「60%」柴田祐紀著
仙台を拠点にする新興ヤクザ田臥組の若頭・柴崎は、男も惚れるような美しい顔立ちとは裏腹に、その飛びぬけた頭脳と冷酷さで、ほかの勢力の追随を許さず、仙台の裏社会を牛耳っている。
柴崎は手なずけた暴力団対策課の刑事・高峰を使って、飲酒運転で仕事も家族も失った元銀行員の後藤を、自ら立ち上げた投資コンサルティング会社「60%」に迎え入れる。中国マフィアと組んで薬物売買を担当していた田臥組の舎弟頭・粕谷も、後藤の上司として配置される。60%は田臥組が稼ぎ出したアングラマネーを洗浄して、海外に送金する機関として使われる。設立から半年後のある早朝、粕谷はCEOに祭り上げられ、業務を一任した後藤から呼び出される。
第26回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した長編ノワール。
(光文社 814円)