「我らが緑の大地」荻原浩著
「我らが緑の大地」荻原浩著
スタートアップ企業勤務の村岡野乃は植物の「会話」について研究している。植物には抵抗する知恵があり、コマツナは虫に食べられると全身に毒性物質を行き渡らせたり、SOS信号を発して食害虫をエサにする肉食昆虫などを呼び寄せたりするのだ。
ある日、職場に救急車がやってきた。スーパーダイズのプロジェクトを視察に来た浅井化学の担当者が枝豆として試食したら、アナフィラキシーショックのような症状を起こしたらしい。野乃は大豆が栽培された畑を見に行ってみた。畑に広げられたマルチシートの上に、夜盗虫の老齢幼虫がうごめいている。
「植物による反乱」に立ち向かう研究者を描くサスペンス小説。 (KADOKAWA 2200円)