批評家が絶賛 映画「新聞記者」が暴いた安倍政権の“暗部”
映画は女記者(シム・ウンギョン)が、加計学園がモデルとおぼしき特区の新設大学にまつわる内部告発を受け取材を始めたところ、あらゆる手段で政権を守ろうとする内閣情報調査室から激しい妨害にあう様子を、重厚な演出で描く。実名こそ出さないものの、伊藤詩織さん暴行揉み消しや、公文書偽造を強いられた官僚の自殺をはじめ、これでもかと出てくるエピソードが現実とリンクしていることは誰が見てもすぐにわかるようになっている。
■「ここまで危険水域に踏み込んだ日本映画はかつてない」
「藤井監督ら3人の脚本チームの力作ですが、感情的にならず、報道等で判明しているファクト中心に構成した点に誠実さを感じます。数年分の事件を凝縮した2時間を見終えた時、我々はなんと異常な政権の元で生きてきたのかと愕然とさせられます。芸能界全般が忖度ムードに包まれる中、松坂桃李や本田翼をはじめ、出演した人気俳優たちの勇気も称えるべきです。安倍政権のもと、ここまで危険水域に踏み込んだ日本映画はかつてなく、映画としての出来もすこぶる良い。これほどの映画がもしヒットしなかったら、もう日本で社会派映画に挑戦する映画人なんていなくなってしまいますよ」(前田氏)
日本映画界からの痛烈な一撃が、いよいよ安倍政権に引導を渡すことになるか。