著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<7>「貸金ファイル」には数万人分の人生の縮図が記録されていた

公開日: 更新日:

■防犯カメラで社員もチェック

 オフィスの窓際にはスチール製の机が並び、パソコンが置かれている。壁際にはスチール製の書庫が置かれ、貸金業時代に貸し付けた相手のファイルがズラリと並んでいる。2階にもファイルが並んだ部屋が2つ。合計すると数万人分の資料になると聞いていた。

「ほら。こんな人にも貸していたんだから」

 社長が私に差し出したファイルを目にして驚いた。某県にある裁判所の裁判長ではないか。それからは、まるで図書館で本を選ぶように、暇なときにはファイルを手にして記録を見るのが私の日課になった。

 貸金業の記帳は法律で義務付けられており、保管することも義務であるが、アプリコはより細かく記録を残してある。誰が何のために借りることになったか、誰が完済してからもまた借りに来たかなど、人生の縮図を見ているような世界がファイルには詰まっていた。

 1階には社内を映すために24時間作動している防犯カメラが5台あった。建物の外にも設置されていて貸金業の危険性、ものものしさを感じることができる。3階には、これらを見られるモニタールームがあり、私も何度か見る機会があった。社長は従業員に不審な動きがないかをチェックすることも怠らなかった。(つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”