保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

美濃部は「一億総特攻の空々しさを国民は知らぬ」と記した

公開日：2020/07/13 17:00　更新日：2020/07/13 17:00

　美濃部のノートには、特攻作戦をすすめた１航艦司令部の大西瀧治郎や参謀たちが、レイテ作戦の失敗のあとに司令部をクラーク基地から台湾に移したことに激怒の言葉が書かれている。それが学徒兵や少年飛行兵を特攻に用いた司令官、参謀のやることか、と怒りを書き続けるのである。

「特攻が勝…

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【連載】保阪正康日本史縦横無尽