著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

国民の約4割がスペイン風邪にかかり、38万人超が死亡した

公開日: 更新日:
1920(大正9)年1月18日付の土陽新聞は「命の擁護 高知局のマスク使用」という見出しで、マスク姿で郵便物を仕分ける郵便局員の写真を掲載。100年を経て、今の社会と光景が重なる(C)高知新聞社/共同イメージズ

 日本社会にスペイン風邪が流行し始めたのは、大正7(1918)年8月の下旬から9月上旬であった。この時から10年7月に至る3年の間に3回のピークがあった。こうした数字や流行の傾向については、内務省の衛生局が調査、分析、情報公開などを行ったわけだが、実際にそうした資料に触れてみると…

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