<第2回>ソチ五輪団体戦前に感じた“メディアとの温度差”
【連載】 鈴木明子 スケート人生「キス&クライ」
2014年2月6日。開会式前日の男子ショートプログラムを皮切りに、4日間にわたって行われたフィギュアの団体戦。ソチ五輪から始まったこの新競技で、男女代表選手の最年長だった私はキャプテンに選ばれました。
普段の個人競技とは違い、キャプテンの私はソチ到着後、「応援」のため毎日会場に足を運びました。どの時点でも日本が3位以内に入った場合、チームの主将が会見する必要があったからです。足のケガで自分自身の調整が進まず、最初は戸惑いもありましたが、団体戦という日本の新しいチャレンジに向けてチーム一丸となり、主将として「まずはできることをしていこう」と一つ一つ始めていきました。
そんな中、日々高まるメダル獲得への周囲の期待を感じずにはいられませんでした。
団体戦はソチ五輪最初の競技。羽生君(結弦=19)や(浅田)真央(23)らフィギュア界のトップが出場するということで、「メダル確実」というファンの方々の期待を感じました。でも、私を含め団体戦に出場する選手たちは、この競技でメダルを取ることは非常に難しいことだと感じていました。