<第1回>全日本選手権の優勝は本当に奇跡でした
【連載】 鈴木明子 スケート人生「キス&クライ」
はじめまして。鈴木明子です。今日から日刊ゲンダイで連載をさせてもらうことになりました。
私は今年3月の世界選手権を最後に、22年間にわたった現役生活にピリオドを打ちましたが、フィギュアスケートを通して、いろいろな経験をさせてもらいました。このコラムではそんな私の経験を含め、これまでにあった出来事、交遊録やあまり皆さんに知られていないスケート界の舞台裏をご紹介していきたいと思います。
まずは今年2月に行われたソチ五輪のお話から。
五輪といえば、4年に1度、日本中のみなさんからメダル獲得を期待される大舞台です。体は自然と普通の大会では味わうことのできない独特な緊張感、重圧に襲われます。
実際、私も10年のバンクーバー五輪(8位入賞)ではそんな雰囲気にのまれ、最後まで何が何だかわからないうちに終わってしまったほど。今でもバンクーバーの記憶は閉会式ぐらいしかありません(笑い)。