引退レースはライバル欠場 ボルトの“花道”をIAAF後押し

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 世界最速男に追い風である。

 4日(日本時間5日)開幕の世界選手権(ロンドン)を最後に引退を表明している陸上男子短距離王者のウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)。

 100メートルで最大のライバルと目されていたリオ五輪銅メダルのアンドレ・ドグラス(22=カナダ)が2日(同3日)、右太もも裏を故障したため欠場を発表した。ドグラスは今年6月に追い風参考ながら、9秒69をマーク。今季最高タイムとされるクリスチャン・コールマン(21=米国)の9秒82を上回る好タイムを記録した。ボルトの今季ベストは9秒95。世界7位のタイムで調整不足が囁かれている。長らくライバル関係にあるリオ五輪銀のジャスティン・ガトリン(35=米国)らが控えているとはいえ、最大の好敵手であるドグラスの不在はボルトにとって願ってもないチャンスだ。

 このカナダ人若手スプリンターの欠場をボルト以上に喜んでいるのは大会を主催する国際陸連(IAAF)だろう。

 何しろ昨年来、ロシア陸連による組織的ドーピングを筆頭に世界で禁止薬物が蔓延し、陸上界のイメージは悪化。このままではIAAFからスポンサー離れを招き、国際大会の放映権料の値崩れも引き起こしかねない。

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