支持率低迷の石破自民が参院選の「争点隠し」…年金底上げ断念で就職氷河期世代を切り捨て
石破首相が敬愛する石橋湛山元首相は、消費者米価の値上げを巡って生じた自民党内からの反発に対し、「私は多少気にいられないことでもよいと信ずることはやる。米価の問題も選挙目当てに反対があっても、人気取りのために信念は曲げない」と強気だったという。
翻って現政権はどうか。それこそ「人気取り」のために、右往左往している。年金制度改革関連法案の国会提出を渋っているのが良い例だ。
厚労省は17日、年金法案の目玉である「基礎年金の底上げ」について、法案から削除する修正案を自民党に示した。国費のほか、会社員らが加入する厚生年金の積立金を活用する底上げ案に自民党内から賛否が相次ぎ、意見集約できず断念。今月内の国会提出を目指すが、落としどころを見いだせていない。
自民党内がモメにモメているのは、底上げ策によって、受け取る厚生年金の一時的な減少や将来的な増税の可能性などの懸念があるからだ。今夏に参院選を控え、内閣支持率が低迷する中、国民感情を逆なでしたくないのがホンネ。底上げ案の削除は参院選の「争点隠し」に他ならない。