意外な場面で役に立つかも!?雑学本特集

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「けんたろ式“見るだけ”ことば雑学辞典」けんたろ著

 学問とは関係のない雑多な知識である雑学。しかし知って楽しく意外な発見があり、ビジネストークのきっかけになったり飲み会での会話が弾んだりと、さまざまな場面で役立つものだ。勘違いしている日本語や一度は体験したことのある現象の名前など、知らなくてもいいが知って損はないオモシロ雑学本を紹介しよう。



「けんたろ式“見るだけ”ことば雑学辞典」けんたろ著

 言葉に特化したさまざまな雑学を紹介する本書。

“卑怯”を意味する形で「アイツは姑息なやつだ!」などと言ったことはないだろうか。実はこれ、正しい使い方ではない。「姑息」とは本来、その字の通り「姑=ちょっと」「息=休む」で、「一時しのぎ」を意味しているのだ。

 ほかにも間違いやすいのが「失笑」で、ばかにする意味合いで使われるが本来は「我慢できずに笑ってしまう」という意味。また「雨模様」も誤解が多く、「雨を催す」から来ているこの状態は「これから雨が降りそう」ということになる。雨が降りしきる中で「あいにくの雨模様ですね」などと言うと恥ずかしい思いをすることになるので要注意だ。

「被害を被る×」→「被害を受ける〇」など二重表現を避けた正しい使い方や、若いカップルに仲良く食べて欲しいから「ペア」+「ヤング」で「ぺヤング」など商品名の意外な由来まで、語彙力アップに役立つ雑学が楽しめる。

(KADOKAWA 1760円)

「蛇の文化史」内藤陽介著

「蛇の文化史」内藤陽介著

 ヘビ年の今年にピッタリの本書。郵便学者である著者が、切手を切り口に蛇にまつわる世界の雑学を紹介している。切手は多くの国で国家の名において発行されており、発行国の歴史や文化、政治的主張が反映されやすいという。

 例えば、令和7年の年賀はがきの印面には、切手部分に鏡餅に見立てられミカンを乗せた白蛇が描かれていた。ヘビ年らしい漫画チックなデザインだが、もともと2段に重ねた鏡餅の姿はとぐろをまいた蛇の姿を模したもので、上から見ると大小二重の円になっているのも蛇の目の造形なのだという。

 実は、古代では蛇の目を「カガメ」と呼んでいた。これが「カガミ」と転訛したといわれており、蛇に対する畏怖の念や信仰が、年初に年神を迎える捧げものにつながったと考えることもできるという。

 ほかにも、医術のシンボルや敵軍の象徴として描かれた蛇など、切手を手掛かりに蛇の文化史を読み解いていく。

(えにし書房 2200円)

「なんでも世界一図鑑」佐藤幸夫監修

「なんでも世界一図鑑」佐藤幸夫監修

 世界最大、世界最長、世界最古に世界最多など、あらゆる世界一を集めた最強の雑学本である。

 世界最大の蝶は、パプアニューギニアに生息するアレクサンドラトリバネアゲハだ。翼長はおよそ28センチで、大谷翔平の足のサイズとほぼ同じ。イギリス国王エドワード7世の妻であるアレクサンドラ王妃にちなんでその名がつけられ、メスの方が大きいという。

 世界最長の階段があるのはスイス。「ニーゼンバーン」と名付けられたその階段は、標高2362メートルのニーゼン山の頂上とふもとを結んでおり、全部で1万1674段ある。鉄道のメンテナンスと救助用であるため普段は関係者以外立ち入ることができないが、年に1度、階段上りレースが開催され、一般客でも上ることができる。上ってみたい勇者はチャレンジしてみては。

 ほかにも、世界最古の映画館、世界一大きいダイヤモンド、世界最多の核兵器保有国など、112の世界一が分かるぞ。

(二見書房 1870円)

「大人も知らない?続々ふしぎ現象事典」『ふしぎ現象』研究会編

「大人も知らない?続々ふしぎ現象事典」『ふしぎ現象』研究会編

 ずっと欲しかった高価なジャケットを買ったのに、同じものを着ている人を見かけたら着たくなくなった。これは「スノッブ(つまらない人)効果」と呼ばれ、“自分と他人を区別したい”という欲求から生まれる現象だという。

 本書では誰もが何げなく体験している現象について、その名前と仕組みを解説している。

 ぬいぐるみなど可愛いものを、ギューッと締め付けたり食べてしまいたくなることはないだろうか。この現象は「キュートアグレッション」。可愛いものを見ると分泌されるドーパミンは攻撃時にも出るため、脳が勘違いするからと考えられている。

 店でポイントカードを渡されたとき、最初の1個が印刷済みの場合がある。これは「エンダウド・プログレス(与えられた進み具合)効果」を狙ったもので、ゼロの状態より少しでもゴールに近い方がやり遂げたい気持ちが強まるという心理を利用した戦略だとか。世界共通のオモシロ現象が満載だ。

(マイクロマガジン社 1100円)

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