原口元気<上>「クラブでダメならあの監督には呼ばれない」
そもそも原口が点を取りまくっていた16年秋は、所属のドイツ1部ヘルタでも目覚ましい活躍を見せていた。14年夏から2年がかりの肉体改造や走りの改善などが功を奏し、ダルダイ監督の信頼をガッチリとつかんでいた。が、クラブ側からの契約延長に合意せず、移籍話が浮上した17年1月辺りから指揮官やクラブから冷遇され、出番が一気に減少する。
「契約満了が近づいた選手を出さなくするのは欧州では当たり前」と、ACミランで塩漬けにされた本田も語っていたが、原口もそこから約1年間、理不尽な扱いを余儀なくされた。
ロシア行きの危機に瀕した彼は今年1月下旬にドイツ2部デュッセルドルフ行きを決断。同1部や海外行きの話もあったというが、かつてフランクフルトでFW高原直泰(現・沖縄SV代表)を指導したフンケル監督の高評価と熱烈オファーが決め手になった。今季デュッセルドルフは絶好調。来季の1部昇格は、ほぼ確実という点も大きかったようだ。
新天地でようやく復活の兆しをつかんだ原口。前向きな方向に進んでいるのは間違いない。
(つづく)