阿部一二三は足技進化で死角ナシ、詩は海外勢寄せつけず 狙うは五輪市場初の兄妹連覇
一二三は妹に負けない結果を残したい、詩も兄を目標に
妹の詩も、GS東京はオール一本勝ちの圧勝だった。
「現状では海外勢が詩のレベルに追いついていないといえます。東京五輪決勝で戦ったフランスのアマンディーヌ・ブシャールらライバルに組み負けることはなく、詩に匹敵するライバルはいないといっていいのではないか。詩の最大の強みは、自分の組み手で勝てることです。これは兄の一二三もそうですが、パワー、技術の土台には、幼少期に消防士の父親と重いボールを投げ合うなどして鍛えた体幹の強さがある。技術面も一二三と同じく、足技に磨きがかかり、技の幅が広がりました」(同)
パリ五輪も視界良好。前出の木村氏は「ケガさえしなければ」と言う。実際、東京五輪直後に損傷した両肩関節唇を手術。GS直前にも肋軟骨を負傷した。
「GSを見る限り、故障の影響はないと思います。今回のGSは各国から名の売れた選手が出場。その中で優勝したことは価値がある。兄妹共々自信になったでしょう。一二三は妹に負けない結果を残したい思いが強く、詩も兄を目標にしている。気持ちの面でもお互い意識しながら、柔道に取り組むことがモチベーションとなり、いいパフォーマンスにもつながっています」(同)
パリでも揃って金メダルを手にする可能性は高そうだ。