週間読書日記
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越谷オサム(作家)
7月×日 あまりの暑さにどうかしていたのだろう、そろそろ昼をという時間になって突如風呂場のタイル磨きを始める。狭くて風通しの悪い真夏の浴室の中、大汗をかきながらスポンジで床の黒ずみを一心不乱に擦り、一…
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赤神諒(作家・弁護士)
7月×日 今日も時間が足りなかった。法律と小説の二刀流を始めて4年、時間との戦いに明け暮れ、青息吐息。寝床で本を手に取る。髙橋洋一著「髙橋洋一式デジタル仕事術」(かや書房 1540円)。睡眠を削らず時…
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西田亮介(東工大准教授・情報社会学者)
7月×日 あまり知られていないが最近、インターネットや調査報道と関連するジャーナリズムの新しい賞がいくつも新設された。メディアの研究を専門にすることもあって複数の審査にかかわった。主催者に共通するのは…
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小路幸也(作家)
6月×日 そもそもが酒を飲まないし出不精な人間なのでここ10年以上は〈東京のホテルにいるか自宅にいるかどっちか〉という暮らしになっていた。なので、コロナ禍の中でもさほど暮らしに変化はないが、もう1年以…
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鹿島茂(仏文学者)
6月×日 主宰している無料閲覧サイト「ALL REVIEWS」の「友の会」はゲストや著者を招いて1冊の本について徹底討議するユーチューブ書評番組「月刊ALL REVIEWS」を月に2度配信しているのだ…
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坂爪真吾(一般社団法人 ホワイトハンズ代表理事)
6月×日 久しぶりに出張の仕事が入り、移動中の機内で読む本として、奥田祥子さんの新刊「捨てられる男たち 劣化した『男社会』の裏で起きていること」(SBクリエイティブ 990円)を買った。 奥田…
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下重暁子(作家)
5月×日 1月に書下ろしの新書「明日死んでもいいための44のレッスン」(幻冬舎 924円)が出て以来、続けざまに1、2ヵ月に1冊の割合で拙著が本屋に並ぶ。それを見て「忙しいでしょう?」といわれるが、た…
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吉川英梨(作家)
6月×日 先日、書店でとある本に目が釘付けになった。海野弘氏解説・監修の「366日 物語のある絵画」(パイ インターナショナル 2860円)という本だ。神話から宗教画、古典作品の物語絵が366枚紹介さ…
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畑中章宏(民俗学者)
5月×日 書き下ろしの新刊を立て続けに出そうとしているものだから、資料・史料の渉猟的な読書にしか時間が取れない。そうこうしているうちに、どうしても読んでおきたい新刊が発売される。読み始めると眼の前の仕…
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香山リカ(作家・精神科医)
5月×日 安倍政権時代には“やられっ放し”だったマスメディアが、ちょっとだけ変わってきたのを感じる。たとえば、毎日新聞は中心に「入管・難民問題」という特集班を組み、入管収容中に亡くなったスリランカ人女…
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高嶋哲夫(作家)
5月×日 「歴史より学べ」去年と今年ほど、この言葉を噛み締める年はなかった。 コロナに明けコロナに暮れる日々が続いている。頼みはワクチンだが、数、接種方法、人員、接種者の意思確認に至るまでトラ…
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沢野ひとし(イラストレーター・エッセイスト)
4月×日 人は好きなものを見つけると、歓喜して追いかけて行く。和田靜香、金井真紀の美女コンビは腰を落とし、摺り足で「世界のおすもうさん」(岩波書店 1980円)に迫って迫った。 私のようなジジ…
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タブレット純(歌手・タレント)
4月×日 ぼくが在籍しておりました「和田弘とマヒナスターズ」は嘗ては華やかなスターバンド…だったはずながら、それは昭和のおとぎ話でのこと。イブシまくったその銀の背中、いや、シッポに乗れたことは大変光栄…
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上野誠(國學院大學文学部教授)
4月×日 29年勤めた奈良大学から、國學院大學に移籍してはじめての授業。私の第一声は、俺も文学の楽しさを語るから、君たちも授業を楽しみなさい、と語った。だから、私は、時に、柿本人麻呂になるぞ、と言い放…
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桜木紫乃(作家)
3月×日 長編を2本同時進行で書く、という昨年の目標完遂。「俺と師匠とブルーボーイとストリッパー」(過去最高に長いタイトル)を発刊し、「緋の河」もラストを書き終えた。そして人生の褒美のように、絵本「い…
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篠田節子(作家)
3月×日 令和2年度芸術選奨マスコミ発表解禁日。某全国紙に芸能部門受賞者の名前はあるのに、文学部門は無い。前日発表のY川E治文学新人賞の方は写真入り狂騒状態だったというのに。 で、大手マスコミ…
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早川いくを(著作家・書籍デザイナー)
3月×日 幼い息子が「8時だョ! 全員集合」のDVDを見て、爆笑している。這いつくばって手で床をバンバンと叩く息子。この動作は実在したんだ。「バナナの皮で転ぶ人」を実際に見た気分だ。私は写真を撮った。…
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道尾秀介(作家)
3月×日 3月の1ヶ月間、毎週月曜日の夜にニッポン放送で「道尾秀介の1UP(わんなっぷ)ライフ」というラジオ番組をやらせてもらっている。ゲスト回では漫画家でアニメーション作家の藍にいなさんを招いて、い…
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乾ルカ(作家)
3月×日 今日もスマホに入れるゲームが見つからない。私の好みは「Myst」シリーズのようなアドベンチャーである。冒険心が満たされる世界観の中で、フェアな謎解きがしたい。 ゲームはさておき、柄刀…
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門井慶喜(作家)
3月×日 作家になって、直木賞をもらって、いろいろ出版社から本を送ってもらうようになったけれど、それでもやっぱり自分で見つけて買いに行くのは格別にたのしい。最近は高橋繁行著「土葬の村」(講談社 100…