追悼・降旗康男監督 6年前に語っていた「高倉健のこと」

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 高倉健主演作の「駅 STATION」「居酒屋兆治」「鉄道員」などで知られる降旗康男監督が先月20日に亡くなった(享年84)が、6年前、降旗監督は水谷豊伊藤蘭の夫婦共演作「少年H」の公開を前に「カチンコの音が聴こえる」のタイトルで日刊ゲンダイで連載し、高倉健との交友から生い立ちまでを語ってくれた。

 印象に残ったのは監督と健さんの付き合いが分かる何げないエピソードだ。

 自宅が近所、酒飲みの降旗監督と酒を飲まない健さん。そのまま引用すると――。
<(プライベートでも)ボクから声をかけるようなことはないですね。だけど、健さんは時々「誰々から日本酒を送ってきたからこれ飲んで」とか言って通りがけに家に置いてってくれる。健さん、毎日、理髪店に行くんですよ。その途中にボクの家があるもんだから「これからお酒持って行くから」って電話してきて寄ってくれます。

 去年の大みそかに、ボクひとりで家にいたんですよ。勝手口から声が聞こえたので、宅配便かと思って出ていったら、健さんがいた。お酒を持ってきてくれて、「いろいろ代理で賞を受けてくれてお疲れさまです」って。

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