興収100億円超「鬼滅の刃」ヒット3要素オタクニストが解説
今一番、人を熱狂させている作品といえば、間違いなく『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』だろう。公開から10日間で興行収入100億円を突破し、日本で上映された映画の中で最も速い日数を更新した。
筆者も、公開4日目に渋谷の映画館に早速見に行った。コロナ禍を忘れさせるほどの満員御礼で、普段アニメをあまり見ないであろう10代~20代のカップルが非常に多いことに面を食らったほどだった。
■アニメーションは作画で決まる
鬼滅の刃という物語の素晴らしさは、もはや語るまでもない。そんな最高級の素材を、最高の料理(作品)として仕上げる役割なのが、アニメ制作会社である。鬼滅の刃の制作会社は「ufotable」。アニメ・ゲーム好きの間で制作会社がufotableであるというだけで、その作品に対する期待値が上がるほど、そのクオリティーは折り紙付きなのだ。
ufotableの特徴は、キャラクターの感情のアニメーションへの落とし込みが非常に繊細なところだ。涙のこぼれ方ひとつにしても、キャラクターの心情が現れる。大粒の涙なのか、小粒の涙がスーッと流れるのか――。そんな些細にも思えることで、アニメの物語は捉え方が大きく変わってきてしまうのだが、キャラクターの感情を余すことなく作画に乗せるのが非常に上手な印象がある。