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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

12月8日は国家が国民を煽った日 若者は知らないままだが…

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「大本営発表、帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり」と朝のラジオニュースが「……に入れり」なんて、いかめしい文語体で報じて、中国だけでなく新しい戦争に手をつけてしまったのが80年前の8日だった。今渋谷で遊ぶ若者に“それは何という戦争?”とクイズを出しても何人が答えるだろうか。10年前だか、渋谷のアホっぽい若いカップルがテレビカメラに「それって韓国と戦ったやつだろ」と言い返していた。この国は義務教育で何を教えてきたのか、今でも目まいがしそうな話だが。

 1932年、日本は領土拡大を狙って、大恐慌と凶作と社会不安を打開するために「満州国」というフィクションの傀儡国をつくって中国東北部を侵略し、一方、ナチスドイツも失業者何百万人の不満を武器に、金持ちのユダヤ人をねたむ大衆の劣等感を煽り、独裁に走った。ヒトラーは国民に、「国が生き残るのに必要なのは正義で、正義に必要なのは力で、力の源は国民一人一人の強さだ」と訳の分からない演説をして欺いた。39年にはポーランドを占領し、英国、フランスと開戦する。欧州支配を企んだのだ。

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