元検事総長の尹錫悦大統領が「警察局」新設 韓国国民そっちのけで警察vs政権が激化
2008年版の「このミステリーがすごい!」で1位に選ばれた佐々木譲の小説「警官の血」が韓国で映画化され、今月28日から日本でも公開される。
1人の警官の死をきっかけに、あるエース刑事に黒幕の疑いがかかり、新米刑事が内偵調査に乗り出すという物語。警察組織の闇が描かれた作品だが、今年は韓国で警察と現政権の激しい対立が浮き彫りとなり、国民をウンザリさせた。
韓国では大統領が代わるたびに権力の構図も大きく変わる。政治報復で前大統領が検察に捜査され、悲惨な末路をたどるのはよくあるパターン。検察の力が大きいので、捜査対象になれば有罪になる可能性が高い。こうした既定路線に「待った」をかけたのが文在寅前政権だった。
文政権は政権交代の直前、検察が握っていた“強大な権力”を警察に移譲させた。権力が警察に移ることで、検察の捜査権は大幅に縮小される。退任後の前大統領は検察の捜査をかわすことができ、安泰といえる。“検察改革”と言いながらも保身のための苦肉の策と言えなくもない。この権力移譲の法案は“検察捜査権完全剥奪法案”と皮肉られ、検察は幹部が一斉に辞意を表明するなど強く反発した。