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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

愛され続けたイ・ソンギュンさんの光と影(3)はじめから逮捕ありきの、警察による“司法殺人”ではないか

公開日: 更新日:

 違法薬物使用の疑いで警察の取り調べを受けていた人気俳優のイ・ソンギュンさんは自殺する直前、19時間にも及ぶ取り調べを受けていた。この頃、警察の無理な捜査が批判されていたが、イ・ソンギュンさんの供述内容が明らかになると世論はさらに悪化した。

 一貫して「睡眠薬だと思っていた」と釈明していた粉末を「ストローで鼻から吸引した」と供述したからだ。

 この報道にはイ・ソンギュンさんに同情的だった韓国人女性までもが「悪い印象しかない」と不快感をあらわにした。

 それまで容疑を否定してきたイ・ソンギュンさんだったが、警察が捜査の軸にしているのは相変わらず風俗店の女性室長Aの供述だった。彼女の二転三転する信憑性のない供述だけが通り、ついにイ・ソンギュンさんは「うそ発見器で科学的な検証をしてほしい」と要望。ところが、その翌日、ソウル市内の公園駐車場に止めた車の中で発見されたのだ。車内で自殺したものとみられる。

 イ・ソンギュンさんの訃報が伝わると世論は一転した。ここにきてようやく同情論に傾き、警察による“司法殺人”ではないかという声が上がった。

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