テレビで育ちテレビに憧れ…自然と備わったNON STYLE井上のポップな「大衆性」
石田も「悔しいのが、あいつ漫才向いてんねん。漫才うまいねん。だから腹立つんですよ。あいつじゃないとでけへん漫才いっぱいある」とプレーヤーとしての井上を高く評価している。
そんなNON STYLEは「女子中高生が選ぶ好きな芸人1位がNON STYLEなんですよ。嫌いな芸人の1位がNON STYLE・井上なんですよ」(フジテレビ系「ライオンのごきげんよう」15年2月12日)と、井上自身がネタにしているように若者に人気がある。
その人気を支えているのは、そのポップさだろう。それを生み出していたのが、井上の存在だ。ネタ作りは石田が担当しているが、その日どのネタをやるのかを決めるのは、基本的に井上の役割だ。自分で書いたネタは全部自分の子供。だから順番はつけられないからという理由でそうなったという。
「出来損ないの子もかわいいじゃないすか。お客さんに『おもんない』と思われてるネタほど、かわいかったりする。それをやりたくなっちゃうから、NON STYLEがポップな感じでずっといれんのは井上のおかげ」(「内村てらす」=前出)だと石田は言う。テレビで育ち、テレビに憧れた井上には、自然と“大衆性”が備わっていたに違いない。