映画「ハウス」で大胆ヌードを披露した池上季実子
<1977年7月>
大林宣彦監督の劇場用映画作品デビュー作「ハウス」が公開されたのは77年7月。同作品は国内商業映画の製作現場で外部の監督が起用されたことに加え、清純派路線で売り出していた池上季実子(当時18)が大胆なヌードを披露し、イメチェンを図ったことでも話題を集めた。
当時、国内で映画を撮るには、製作会社に入社後、助監督から叩き上げで監督になるというのが常識。8ミリ映画の監督がいきなりプロとして商業映画を撮るのは考えられないことだった。
しかし、当時の映画界は一般家庭へのテレビ普及のあおりを受け、不振が続いていた。そこで目をつけられたのがチャールズ・ブロンソンの「マンダム」をはじめ、1000本を超えるCF作品をヒットさせていた大林監督(当時39)だった。
製作にあたり、75年にヒットした「ジョーズ」のような映画を撮ってほしいと頼まれた大林監督に、アイデアを出したのは当時12歳だった娘の千茱萸(ちぐみ)さん。「パパ。この鏡の中の私が、私を食べてしまうと面白いわね」という娘の言葉にヒントを得た監督は、ピアノや柱時計が次々と少女たちを食べていくホラー・コメディーを作り上げた。